乳児と幼児「寝かしつけ」カオスを乗り切る「究極の塩対応」 〔東大医学部卒 3児のママ医師が解説〕

東大医学部卒医師・もりたま先生に聞く、「子どものねんねトラブル」 #2 ~幼児の寝かしつけ編~

医師・小児スリープコンサルタント:森田 麻里子

3人子育て中のもりたま先生の寝かしつけ

また、1歳以降にも「寝ない」というお悩みが出てきやすくなる、ともりたま先生。

「1歳から1歳半の間は、精神的な発達が目立つ時期です。後追いや分離不安の時期が生後10ヵ月ごろからあるのですが、1歳過ぎにそれがまた強くなる時期が来るんですね。

このころに『今までは1人で寝てくれていたのに、急に寝られなくなってきた』、『これまではおやすみと声をかけて寝室を出ていけていたのが、行かないでと泣かれるようになってしまった』などという声が増えてきます。

体力がついてきて、日中の過ごし方次第ではなかなか寝つかないという子も。そのため、別の寝室で寝ていた子でも、このぐらいの時期を境に家族で川の字で添い寝することになったというケースもあります」
(もりたま先生)

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現在小2、年少、2歳の三人3人のお子さんを育てるもりたま先生ですが、「私は、今の状況が一番大変かも!」と苦笑い。3人きょうだいの寝かしつけは想像がつかないですが、一体どうしているのでしょう。

「一番下の子が赤ちゃんだったときは、まず末っ子を夜7時に私たち親の寝室にあるベビーベッドで寝かせて、上の子たちと少し過ごしてから、子ども部屋で上の二人を夜8時半に寝かしつけるという時間差パターンだったんです。

末っ子がなかなか寝てくれなくて手のかかる時期はもちろん大変で、上の子たちには『ちょっと絵本でも読んで待ってて』とか、本当はやりたくなかったですけど、DVDを観ていてもらったりしたこともあります。30分ぐらいかけて赤ちゃんを寝かせて『ふぅ~』っと寝室を出てきてから、上の子たちの寝かしつけをスタートしていました」
(もりたま先生)

下の子が1歳を過ぎたころには、子どもたち全員の就寝時間を揃えることに。そして、2歳を過ぎた今では、子どもたちの寝室を全員一緒にしたと言います。

「3人同時の同室での寝かしつけをし始めた今が一番大変かも。本当にそれぞれのコンディションや、疲れ具合によって、全然寝てくれない時ときとかもあって。いくらトントンしても、絵本を何冊読んでも全く寝ないなんてこともあります」(もりたま先生)

そんなときにはもりたま先生、「寝かしつけは潔く諦めていい」と言いますが、どういうこと?

夜更かしする子に報酬は与えない

「私の場合、ある程度寝かしつけをしても子どもたちに全く寝ようとする気配がなかったら『お母さんはお皿洗ってくるから、静かに待っていてね』と言って、いったん一緒にリビングに引き上げます。

様子がわかるようにキッチンから遠目に見てはいるんですけど、部屋はかなり暗くして、そばを離れるんです」
(もりたま先生)

寝かしつけにトライするのは、30分くらいまで。「お母さんがいつまでも構ってくれると思うと余計に寝なくなるため、お話をしたり、一緒に遊ぶことはしない」と、もりたま先生。

「おもちゃや絵本を引っ張り出してきて遊ぼうとしても、『今は夜だから使わないよ』と冷静に制して、片付けて。それでも泣いたりぐずったりするのですが、どんなに誘われてもそこは塩対応を貫きます(笑)。自然に眠くなるまではあまり構わず、自分からそろそろ寝ようかなと思ってもらえるまで待ちます」(もりたま先生)

夜更かしの習慣をつけないないためにも、夜遅くまで起きていたときになるべく報酬を与えないことが大事。ブレずに強い心で寝かしつけに挑めば、子どもは「夜は寝る時間」と理解してくれるようになるのです。

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次回3回目は、パパママたちが恐れる子どもの夜泣きについて。突然訪れる夜泣きにはどう対応したらいいの? また、怖い夢をみる子どもへの対処法は? 睡眠時のねんねトラブルについて伺います。

取材・文/遠藤るりこ
撮影/神谷美寛

森田麻里子先生による「ねんねトラブル」は全4回。
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(※公開日までリンク無効)

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もりた まりこ

森田 麻里子

医師・小児スリープコンサルタント

Child Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2017年に長男、2020年に次男を出産。長男の夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究を徹底的に調査。赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。最新著書『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(共著:伊田瞳/KADOKAWA)のほか、『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社新書)が発売中。 「Child Health Laboratory」  https://child.healthlabs.jp/

Child Health Laboratory代表。1987年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。2017年に長男、2020年に次男を出産。長男の夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究を徹底的に調査。赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」を設立。最新著書『子育てで眠れないあなたに 夜泣きドクターと睡眠専門ドクターが教える細切れ睡眠対策』(共著:伊田瞳/KADOKAWA)のほか、『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』(光文社新書)が発売中。 「Child Health Laboratory」  https://child.healthlabs.jp/