4月から始まる、自転車の青切符制度
2026年4月から、自転車の交通違反に対して「青切符(交通反則通告制度)」が導入されます。
これまでは、自転車の取り締まりは、「指導・警告」か、刑事罰となる「赤切符」のどちらかでした。しかし、新制度では、16歳以上を対象に青切符が取り入れられ、違反すると反則金の支払いが生じます。一方、16歳未満は従来どおり指導・警告が基本ですが、飲酒運転などの重大な違反は年齢に関係なく赤切符の対象となります。
「自転車の違反は本当に数が多く、検挙数は近年急激に増えていて、すべてを赤切符で処理するのは現実的ではありません。警察官の取り締まり人員には限界もありますしね。そこで、自転車の交通違反にも、反則金で迅速に処理される青切符が導入されることになったのです」
このように話すのは、一般財団法人日本自転車普及協会・自転車文化センターのサイクルアドバイザー、山口文知さん。同センターは、自転車の歴史や交通安全の普及活動を行う専門機関です。
「青切符導入の背景には、事故の増加もあります。自動車を含めた交通事故全体は減少しているにもかかわらず、自転車の事故は減っていません」
「自転車事故全体の件数自体は横ばいですが、歩行者と自転車の事故は、警察庁の発表によると、2025年には全国で3269件となり、統計開始以来、最も多くなっています。事故の99.9%は自転車側に法令違反があり、こうした状況から、事故を減らすために、自転車の取り締まりを現実的に行う制度として導入されたのが、青切符というわけです」
仕組みは、自動車の青切符とほぼ同じ。警察官に違反を指摘されると、同時に青切符と反則金の納付書が交付されますから、後日、原則7日以内に銀行や郵便局などで納めれば、それで完結となる仕組みです。
自転車の青切符には113もの違反項目がある
自転車の取り締まりを強化するために青切符が導入された──。そう聞くと、「新たに厳しいルールができる」と思う人もいるようです。
「基本的に、自転車の交通ルールそのものは以前と変わっていません。今回、変わるのは、違反があったときの取り締まりの方法だけ。従来は、自転車の違反には赤切符が切られていたところが、青切符になって処理が簡易的になったということです」
ルール自体は変わらないと知って、ホッとしている人もいるのでは?
これまでも自転車を利用してきたけれど、問題など起こしたことはない。ましてや、警官に呼び止められて注意されたこともない。「だから、自分には青切符導入は無縁」と、どこか人ごとのように感じているかもしれません。
「切符を切られるというと、信号無視など、“明らかに違反”なケースを思い浮かべがちです。でも、このようなわかりやすいケースだけではありません」
「自転車の青切符には113もの違反項目があり、中には『えっ、これもそうなの?』と思うような、身近なことも含まれています。多くの人は、このように自転車にも細かなルールがあることを認識していない。そして、知らず知らずのうちに違反していることは、珍しくないんです」
そもそも、自転車は自動車のように免許が必要な乗り物ではありません。子どものころに乗り方を覚え、そのまま“生活の足”として使い続けている人がほとんどでしょう。
保育園の送迎や買い物など、毎日の用事に追われる中で、あらためて交通ルールを確認する機会はそう多くありません。
だからこそ、「危ないことはしていないつもり」でも、実はルールから外れていた、ということが起こりやすいのです。
ママチャリ利用者も決して例外ではない
信号無視、一時不停止、夜間無灯火、スマホなどを操作しながらの“ながら運転”……。青切符の対象となる113の違反行為をひとつひとつ見ていくと、「さすがにそれは危ないでしょ」と感じるものも少なくありません(詳細は警察庁交通局発行の『自転車ルールブック』参照 )。



































