どんなことが違反行為?
例えば、自転車を運転しながらの携帯電話やスマホでの通話や画面の注視。この禁止事項に違反した場合には青切符が切られて、12,000円の反則金が科せられますが、これは、自転車の反則金の中でも最も高額。それだけ運転中のスマホ使用が問題であり、いかに危険かということです。
こうした例を挙げると、「私はそこまでひどい乗り方をしていないから大丈夫」と思いがち。「自転車は、保育園に通う子どもの送迎や毎日の買い物に利用しているだけだし」などというつぶやきも聞こえてきそうです。
確かに、多くの人は危険運転をしているつもりなどないでしょう。毎日の暮らしを回すために必要に迫られて乗っている──。それが、いわゆる“ママチャリ”の実情ではないでしょうか。
でも、「そのママチャリこそ、見ていてヒヤリとすることが多い」と山口さん。
「原則、自転車は車道を通らなくてはなりませんが、お子さんを乗せた自転車のほとんどは歩道を通っているように見受けられます。例外事項もありますから、“歩道を通る=即違反”というわけではないのですが、徐行をしないその通り方を見ていると、『危険だなぁ』と心配になることが多々あります」
幼い子どもを乗せていると、車道を通るのは怖い。だから、できるだけ車から離れた場所。つまり歩道を通りたくなる。その感覚は、ごく自然なものです。
けれども、歩道は本来、歩行者のための空間です。自転車利用者にとっては「車道より安全」と感じる場所でも、歩いている人にとっては、後ろから自転車が近づいてくるだけで大きな恐怖になることがあります。
つまり、その“いつもの通り方”は、自分にとっては安全でも、周囲にとっても安全とは限らないのです。
「自転車と自動車の事故は年々減少しているのですが、自転車と歩行者の事故は横ばいから増加傾向にあります。しかも、自転車と歩行者の事故のうち、歩行者が死亡または重傷となった事故の多くは、歩道で起きています」
「今までもこうしてきたし、周りのみんなもそうしているから……」と、つい慣れで歩道を通ってしまいがちな毎日。でも、「自分だけは大丈夫」という思い込みが、思わぬトラブルを招いてしまうかもしれません。
歩道には、高齢者もいれば、身体の不自由な人もいますし、ベビーカーを押している人もいます。時間に追われて勢いよく自転車を漕いでいて、もし、そうした人に接触でもしたら……。
青切符を切られて反則金を払う、というだけの話では済まないこともあります。もし大きな事故につながってしまったら、取り返しがつきません。そうなる前に、今一度ルールを見直して、安全運転を心がけたいものです。
後編では、“ママチャリ利用者も例外ではない”という視点から、特に見落としがちなルールを詳しく見ていきます。
※4月2日よりリンク有効
取材・執筆/佐藤美由紀
撮影/柏原力




































佐藤 美由紀
広島県福山市出身。ノンフィクション作家、ライター。著書に、ベストセラーになった『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』のほか、『ゲバラのHIROSHIMA』、『信念の女 ルシア・トポランスキー』など。また、佐藤真澄(さとう ますみ)名義で児童向けのノンフィクション作品も手がける。主な児童書作品に『ヒロシマをのこす 平和記念資料館をつくった人・長岡省吾』(令和2年度「児童福祉文化賞」受賞)、『ボニンアイランドの夏:ふたつの国の間でゆれた小笠原』(第46回緑陰図書)、『小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』(第44回緑陰図書)、『立てないキリンの赤ちゃんをすくえ 安佐動物公園の挑戦』、『たとえ悪者になっても ある犬の訓練士のはなし』などがある。近著は『生まれかわるヒロシマの折り鶴』。
広島県福山市出身。ノンフィクション作家、ライター。著書に、ベストセラーになった『世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉』のほか、『ゲバラのHIROSHIMA』、『信念の女 ルシア・トポランスキー』など。また、佐藤真澄(さとう ますみ)名義で児童向けのノンフィクション作品も手がける。主な児童書作品に『ヒロシマをのこす 平和記念資料館をつくった人・長岡省吾』(令和2年度「児童福祉文化賞」受賞)、『ボニンアイランドの夏:ふたつの国の間でゆれた小笠原』(第46回緑陰図書)、『小惑星探査機「はやぶさ」宇宙の旅』(第44回緑陰図書)、『立てないキリンの赤ちゃんをすくえ 安佐動物公園の挑戦』、『たとえ悪者になっても ある犬の訓練士のはなし』などがある。近著は『生まれかわるヒロシマの折り鶴』。