車で子どもに動画を見せない 車社会に暮らして12年のママが年齢別の乗り切り方を伝授

スマホやモニターなしでも意外といける ぐずらずご機嫌に車移動する裏ワザ

コクリコサポートエディターズ:北林 日菜

年齢別の乗り切り方

我が家がどんなふうに動画を見せずに車社会で生きてきたのか、年齢別の乗り切り方をご紹介します。母ひとりのワンオペが多く誤嚥が怖いため、車内ではおやつも禁止です。

◆赤ちゃん時代

いちばん大変だったのが生後6ヵ月から1歳台。ちょうどチャイルドシート拒否の時期も重なったので、車移動が憂鬱でした。

・母の声を聞かせる
反応はありませんが、一方的に話しかけると、ママの声が聞こえて安心するのか落ち着いていました。また、新生児のころから毎回必ず「行き先と所要時間」を伝えていたところ、不思議とその間はおとなしいことが多かったです。私の思い込みかもしれませんが……。

・ベビーミラーをつける
チャイルドシートが後ろ向きだった時期は、赤ちゃんの様子が見えるようベビーミラーをつけていました。使ったのは短期間でしたが、ぐずりそうなのか、寝ているのかなどがわかるので事前に対応しやすかったです。

・お気に入り絵本を読み聞かせる
運転中に読み聞かせ? と思われるかもしれませんが、もちろん手元に絵本はありません。実は一番効果的だったのは、お気に入りの絵本を暗唱することでした。お気に入りの「こぐまちゃんシリーズ」は鉄板で、特に『しろくまちゃんのほっとけーき』は必ず泣き止んでくれました。絵本の暗記は、私の産後の回らない頭のリハビリにもなりました。

「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち……」リズムのよさと、聞きなれた母の声がハマったよう。1歳ごろに、読んで読んでリクエストがすごかった本です。
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ちなみに、長男が3歳のときに生まれた下の娘。常に隣にお兄ちゃんがいてくれたおかげで赤ちゃん時代から苦労した思い出はほとんどありません。

◆2歳~幼児期

かろうじて意思疎通ができるようになったこのころ。息子は言葉が遅かったこともあり、会話を意識的に増やして、退屈しないようにしていました。

・車窓から見える看板を読む
運転に集中しながら話すのは大変。という理由は半分建て前で、新米ママの私は2歳くらいの子と何を話したらいいかよくわからなかったので、とりあえず目に入った看板の文字を読んで教えていました。結果、息子が文字を読めるようになった時期が早かったのは、このおかげかもしれません。

・木や花、季節について気づいたことを話す
田舎すぎて看板がない区間では、季節について気づいたことを話していました。

母「稲が実ってきたねぇ」

息子「実ってきたねぇ。で、稲ってなあに?」

母「稲っていうのは……」

ここからお米の話やごはんの話、秋の味覚の話に広げる感じです。最初は一方的にダラダラ話しているだけでしたが、そのうち息子のほうから「あ! 白い鳥がいる!」「ピンクの花が咲いてた!」など発見するようになると、ぐずることも減り、かなり楽になりました。

・音楽を聞かせる
ぐずりはじめたら、眠くなる系のCDや「おかあさんといっしょ」の歌などを流して気をそらすこともありました。ただ、眠くなる系の音楽はなぜか逆効果になることもあり、撤退のタイミングを見はからうのに苦労した覚えも……。

豊かな自然の広がる(豊かな自然しかない)茨城の移動風景はひたすらこんな感じ。でも、いろいろなことを見つけて話題にできます。

◆小学校以降

ここまで来たら、もう動画なし車移動のベテラン。このころから1~2時間は車窓からの景色を眺めて過ごしていました。インプットした情報を整理する時間としても、何もなくぼーっとする時間は大切なようです。

・カラオケ状態で盛り上がる
親子で同じミュージシャンを推している最近の我が家。みんなで歌ってカラオケ状態で盛り上がります。

・クイズや手遊び
きょうだいでクイズを出し合ったり、手遊びをしたりして遊んでいます。「青い車を先に見つける」「トラックを先に30台見つけたほうが勝ち」など、車ならではの遊び方をよく作り出していて、運転しながら感心しています(ただし時間が長くなると必ずケンカになり、母の怒号が響き、平和な車内が一転します)。

・お絵描き
アート好きの娘は、兄がいないときは電子メモパッドで絵を描くことも。幼少期乗り物酔いがひどかった私からは想像もつきません。

娘愛用の電子メモ帳。

・英語クイズ
ここ数週間のブームですが、「車窓から見えるものを英語で言ってみる大会」も家族で盛り上がります。一過性のブームで終わらないことを祈っていますが、どうなることやら……。

現在の子どもたち。変わりジャンケンを編み出したり、クイズを考えたり楽しく過ごしています。

子どもも満足 動画なし車移動でよかったこと

息子が生まれてからもうすぐ12年。動画なしでの車移動をしてきてよかったと思うのは、「何もない」から「何かを見つけられる」子に育ったことです。さまざまな試行錯誤を繰り返すことで「退屈を乗り切る方法」や「楽しみの見つけ方」を子ども自身が身につけられたと感じます。

ちなみに息子自身、動画なしの車移動についてどう考えているのか聞いてみたところ「退屈はしない。さっきは1時間ずっとLaQ(ラキュー/ブロック玩具)で新しくつくるもののアイデアを考えていた」そう。

また今回の記事を書いていて、必然的に親子やきょうだい間の会話が増えるのだともあらためて思いました。今子連れの車移動で苦労している方や悩んでいる方、これからママになる方にとって、ひとつの参考になれば嬉しいです。

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きたばやし ひな

北林 日菜

Hina Kitabayashi
AnyMaMa(エニママ)ライター

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 2012年生まれのサイエンス好き男子、2015年生まれアート好き女子の母。都内で広告営業や出版業を経て、結婚を機に茨城県に移住。以後リモートワークを中心に、エニママや県内のご縁ある企業でフリーランスライターとして活動中。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

AnyMaMa(エニママ)ライター兼コクリコ・サポート・エディター 2012年生まれのサイエンス好き男子、2015年生まれアート好き女子の母。都内で広告営業や出版業を経て、結婚を機に茨城県に移住。以後リモートワークを中心に、エニママや県内のご縁ある企業でフリーランスライターとして活動中。 AnyMaMa:https://anymama.jp/  Twitter:https://twitter.com/AnyMaMaJP

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コクリコサポートエディターズ(CSE)は、コクリコの第2編集部。コクリコと、ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」が協力して立ち上げました。子育てをしながら、ほかのお仕事をしながら……など、さまざまな立場で、子どもとの毎日が楽しくなる記事を発信していきます。 AnyMaMa公式HP:https://anymama.jp/  X:https://twitter.com/AnyMaMaJP Instagram:https://www.instagram.com/anymama_official/

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