ティッシュペーパーは「ふるさと納税」で! お得な制度も使い方次第で節約術に

節約アドバイザー・和田由貴さんに聞く「節約術」 #3 お得な制度と子育て家庭の無駄使い回避術

生活アドバイザー・節約アドバイザー:和田 由貴

自治体によるお得な補助金制度を調べてみましょう。  写真:アフロ
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「スーパーは野菜売り場を最後に回る」、「まとめ買いも、本当に必要なものかを考えてから購入を」など、目先の安さで買い物をするのではなく、「必要かを基準にした買い物が、節約へつながる」と話すのは、節約アドバイザーの和田由貴さん。

家計節約術3回目は、家計を守る最新のお得な制度について。子育て家庭ならではの補助金制度や、無駄使い解消法についてもご紹介します。

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東京都で実施されている「ゼロエミポイント」の制度とは?

各自治体では、お得な補助金・給付金制度を導入しています。あまり大々的に紹介されていないものもありますが、調べてみると「これは使える!」というものも。まずは、東京都で始まった「ゼロエミポイント」について。どのような制度なのでしょうか?

和田由貴さん(以下、和田さん):「ゼロエミポイント」とは、エアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具といった設置済みの家電を、省エネ性能が高いものに買い替えると、製品に応じてポイントが付与され、商品券とLED割引券に交換できるという制度です。2019年10月1日以降に購入した機器が対象となります。

最近、エアコンや冷蔵庫が壊れて買い替えたなど、省エネ家電に買い換えた方はぜひチェックしてみてくださいね。最大商品券が2万円もらえる場合もあります。

東京ゼロエミポイント
https://www.zero-emi-points.jp/

ほかにも子育て世帯にうれしい補助金制度として、電動アシスト自転車や3人乗り自転車の購入時に補助金が出る自治体もあります。例えば、千葉県の松戸市だと、6歳未満の子どもを2名以上養育されている松戸市在住の保護者に、上限5万円まで補助金が出ます。

手続きが面倒に感じるかもしれませんが、使わない手はありません。各自治体の財政状況によっては打ち切りになる場合もあるので、早めの行動がおすすめです。お住まいの自治体で、どんな制度が導入されているかを一度チェックしてみてくださいね。

利用しないと損! ふるさと納税活用術

続いて、「ふるさと納税」について。「ふるさと納税」とは、好きな自治体を選び、寄附をすることで地域の特産品や旅行券などの返礼品が、個人だと実質自己負担金2000円でもらえる制度です。そして、上限額の範囲内で寄附した金額の2000円を超える部分の税金が控除されます。

すでに活用しているご家庭も多いと思いますが、和田さんは、「ふるさと納税」も節約につながる活用方法をしているといいます。

和田さん:「ふるさと納税」は、グルメを楽しむご家庭が多いと思いますが、トイレットペーパーやボックスティッシュなどの日用品やお米などの選択をして、家計の節約につなげるのもおすすめです。

わが家では、宿泊券を選択し、家族旅行の際に活用していました。グルメ商品の場合、時期が限られているので届いたらすぐ消費しなければと焦ってしまいますが、宿泊券は利用期間が長いというメリットもあるんですよ。一度試してみてくださいね。

子育て世帯の「無駄遣いあるある」はこれで回避!

子どもと暮らしていると、思わぬ出費も多く、節約しようと思っていても、子どものおねだりで、ついお財布の紐が緩んでしまったり……。そこで次は、和田さん直伝! 子育ての中に潜む「あるある無駄使い」への対処法を教えていただきます。

和田さん:子どもと一緒に過ごしていると、頻繁に「お腹すいた」「お菓子食べたい」などが多く、すべてに応じていると、おやつにかかるコストもかかりすぎてしまいますし、教育的にも心配ですよね。私は子どもが2人いるのですが、わが家では、おやつを食べるのは3時と決めていました。おでかけしているときも、なるべくこのリズムを崩しませんでした。

おやつを出すときは、お子さまランチのプレートのような、仕切りがあるかわいいお皿に小分けパックのお菓子を数種類並べて、ワクワク感を演出。

全体の量はそこまで多くなくても、一度に複数のお菓子を食べられるので満足度も高くなります。また、時間を決めることで、生活のメリハリもつきますし、一袋にたくさん入っている小分けのお菓子をいくつか買っておくだけなので、コストもあまりかかりませんよ。

カプセル玩具や100均のおもちゃの対処法はある?

子どものおもちゃも100均のほか、最近は300円ショップでも充実しており、「これ買って!」と言われると、つい「安いから、いっか」と買ってしまうことがあります。しかし、買ったはいいものの、すぐに飽きたり、壊れたりというパターンも多く、たった数百円でも、結果として「無駄遣い」となることも。「ちりもつもれば~」で、これらの無駄使いが増えていくと、どうなっていくのでしょうか?

和田さん:子どもと一緒に行く買い物は、本当にトラップだらけです。近年は、カプセル玩具も大流行していて、街を歩いていても誘惑だらけ。しかし、少額のものでも言われるがままに買っていては、子どものマネーリテラシーも育ちません。

わが家は、「1週間に1回だけ好きなものを買っていいよ」と、子どもとルールを決めていました。すると、1週間かけて何が欲しいのか一生懸命考え、買った後もすごく大切にするように。

欲しいものがすぐに手に入る環境では、ものを大切にする感覚も育ちにくく、成長してからも浪費癖がつきやすくなります。何が本当に必要なのかを吟味してからお金を使うクセを、子どもが幼いころから意識させるようにしてみましょう。

~番外編~ クレジットカードの明細は細かくチェックを!

最後は、クレジットカードの明細確認について。現金文化から、クレジットカード・電子マネー文化へ移行している今。コロナ禍以降、キャッシュレス決済が主流となり、現金をあまり持たなくなったという方も多いのではないでしょうか。手軽に支払いができるようになり便利になった反面、そこにはリスクも多く潜んでいると和田さん。

和田さん:カード決済や、電子マネー決済は、現金払いより「払っている感」が軽減するので、お金の管理も現金よりおざなりになりがちです。

そこで気をつけなければいけないのが、「架空請求」です。最近の手口として、一度に大きな金額を動かすのではなく、少額を複数回にわたって不正利用する手法が増えています。

身に覚えのない大金の請求があると気づきやすいのですが、少額の場合見過ごしてしまうということも。私の知り合いでも、知らぬ間に少額の不正利用が複数回あったにもかかわらず、気づいたのは数ヵ月後だった、ということがありました。

少なくとも、1ヵ月に1度は、必ずクレジットカードの明細をチェックしましょう。定期的に明細をチェックすることで、自分がどれだけカード利用をしたのかも把握できますし、固定費の見直しにもつながりますよ。

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一見、クレジットカードの明細チェックも、節約法とは直接関係ないようにも見えて「お金を守る」という意味で大きな役割を果たす大事な行動です。自動的に、毎月引き落としされるまま過ごしている方はぜひ一度確認してみてくださいね。

3回にわたって和田さんに教えていただいた数々の節約術、いかがでしたでしょうか。買い物をするときは安いからと買うのではなく、「本当に必要なものか」をよく考えてから。まずは、すぐできる、スーパーの回り方から試してみてくださいね。

取材・文/秋音ゆう

※和田さんに聞く「節約術」は全3回。
1回目 節約アドバイザー直伝! 「節約」とは我慢ではなく目標実現のためのクエストだった!
2回目 スーパーの回り方ひとつでも大きく変わる! 子育て家庭の結果を出す「節約術」とは?

和田由貴(わだ・ゆうき)
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として活動中。また、2児の母として、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。
専門分野は食費・光熱費・交通費・レジャー費など生活全般の節約、エコライフ、買い物、100円ショップ。

『めざせ! ごみゼロマスター3 学校と町でレッツごみゼロ』著:和田由貴(WAVE出版)
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わだ ゆうき

和田 由貴

消費生活アドバイザー・節約アドバイザー

消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として活動中。また、2児の母として、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。 また、環境カウンセラーや、省エネ、脱酸素エキスパートでもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。 専門分野は食費・光熱費・交通費・レジャー費など生活全般の節約、エコライフ、買い物、100円ショップ。そのほか消費生活アドバイザーの立場から製品安全や消費者問題、環境教育などにも携わっている。 主な著書:『めざせ! ごみゼロマスター1 ごみはどこから出るの?』、『めざせ! ごみゼロマスター2家でレッツごみゼロ』『めざせ! ごみゼロマスター3学校と町でレッツごみゼロ』(WAVE出版)

消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として活動中。また、2児の母として、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。 また、環境カウンセラーや、省エネ、脱酸素エキスパートでもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。 専門分野は食費・光熱費・交通費・レジャー費など生活全般の節約、エコライフ、買い物、100円ショップ。そのほか消費生活アドバイザーの立場から製品安全や消費者問題、環境教育などにも携わっている。 主な著書:『めざせ! ごみゼロマスター1 ごみはどこから出るの?』、『めざせ! ごみゼロマスター2家でレッツごみゼロ』『めざせ! ごみゼロマスター3学校と町でレッツごみゼロ』(WAVE出版)