
【働くママの労働問題】「有休は理由を言わないと取れない?」[社労士が回答]
働くママのお悩み解決 職場問題モヤモヤ相談室【連載】第2回 (2/2) 1ページ目に戻る
2025.08.19
社会保険労務士、行政書士:小西 道代
有給休暇の申請理由は空欄でもOK
会社に有給休暇の申請をするとき、申請用紙などに理由を書く欄があっても何も書かずに空欄で出して大丈夫です。
労働基準法では、有休の取得理由には特に触れていないので、理由を書かなくても有休は取れます。
また、会社は理由を書く・書かないを根拠に、有休の取得を判断してはいけないことになっていますし、会社が理由を元に取得を認めない場合は、「有給休暇の取得妨害」の可能性があります。
とはいえ、空欄での申請に気が引ける場合はあるもの。そのときは「私用のため」で問題ありません。
─働くママの声への回答─
会社は事情を書く・書かないを理由に、有休の取得を判断してはいけないことになっています。
そのため有給休暇の申請理由は、何も書かず空欄で出してもOK。
気が引ける場合は、「私用のため」と書くといいでしょう。
申請理由は書かなくてもいいのに、記載欄があるのはなぜ?
有給休暇の申請理由は空欄で出してもOKなのに、理由を書く欄があるのはなぜか……。これには会社のBCP対策が考えられます。
BCPとは、Business Continuity Planの略で、事業継続計画のこと。地震などの自然災害や事件、事故が起こった場合でも、事業を継続あるいは早期復旧ができるように備えておく計画のことです。
このため、有給休暇を使って海外旅行や遠方に帰省をするなら、どこへ行くのか場所や理由を記載することをおすすめします。
休暇中に不測の事態に見舞われた際には、会社が安否確認をするなど、相応の配慮や対応をしてくれるはずです。
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【関連書籍】
小西 道代
社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。
社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。