「夏休みなんていらない!」イエナ小学校に入った三姉妹の驚く変化

シリーズ「教育移住」#2「学校法人茂来学園 大日向小学校」後編

人生初の雪かきに戸惑い

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大日向中学校は2022年4月に開校したばかりです。長女は2020年3月に小学校を卒業したため、2022年3月までは地元の公立中学校に所属しつつ、フリースクールの形で設けられた、大日向中等部へ通っています。

「長女たちの学年が中学生になり、フリースクールとして大日向中等部に通うにあたり、地域の公立校の校長先生と連携を取り合っています。すぐに公教育に変化が起きる、ということはないと思いますが、考え方や教育方針に興味を持ってくれている人たちはいるように思います」(上岡さん)

移住してから保護者や地域の人との関わりも楽しいと続けます。

保護者は変わり者が多いと思いますよ(笑)。『子どもたちに自分の人生を自分で考え作ることを求めるんだから、大人もその姿を見せよう』と考えている人がたくさんいます。そういう大人たちに囲まれる環境も、貴重ですね。

また、降雪量が多いため地域の人にも助けてもらうことが多いんです。温かく迎え入れてくれている感じがしますね」(上岡さん)

凍った湖に穴を開けて、釣り糸を垂らすワカサギ釣り。「なかなか釣れず、飽きた子どもたちはそり遊びに興じていました」(上岡さん) 写真提供:上岡美里

「どこで暮らしてもいい」親も子もに意思を尊重し合う

長女は2022年4月から中学3年生。大日向小・中に付属高校はありませんが、その後の進路についてはどう考えているのでしょうか。

「私たち夫婦は、自分のやりたいことをやってくれたらいいと思っています。

長女自身は、長野の公立校に通ってやりたいことを見つけようかなとか、『山の中でヤギとか飼いながら勉強する学校ってないかなあ』とか言っています(笑)。家を出て全寮制の学校も考えているようで、どれでも良いと思っています」(上岡さん)

移住してから、上岡さんの「家」に対する固定概念が変化したと言います。

「三女が中学校を卒業するまであと6年。子どもたちが家を出たら、その後、私たち夫婦がどこにいるかはわかりません。

以前は『いつかは持ち家かなあ』と考えていましたが、移住をしてからどこに住んでもいいと思うようになりました。

私たち大人も、その時々で望む暮らしを選びたいと思っています」(上岡)

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