中学受験合格率・驚異の100% 最強塾講師が「親から指導する」これだけの理由

子どもの行動が直らない原因は実は親にあった!?【自分で考えて行動できる子になる子育て #1】

親の苦手を知ることで、子どもから「お母さんが困っているから手伝おう」という意識が育っていきます。 写真:アフロ

お子さんはお母さん・お父さんの性格や特徴を理解していますか?

親が対応を変えて、子どもへの理解を深めると同時に、反対に子どもが親を理解することも重要だそう。

「子どもの自律には、実は親のパーソナルな部分を共有(対話)することも大切なんです。ではここで再び質問ですが、お子さんはお母さん・お父さんの性格や特徴を理解しているでしょうか。

須合家のことをお話しすると、我が家の娘たちは父親である私のことをよくわかっています。特に大学生になる長女は理解度が深く、私の考えや次の発言さえも推し量ることができます。

親への理解は、他人を理解する力を育みます。ですから、もしお母さんが片付けが苦手なら、格好つけずにちゃんとそれを子どもにオープンにしてみてください。

共有(対話)があると子どもの中に『お母さんが困っているから手伝おう』という意識が芽生えるはずです。そしてそれが、お友だちや周囲の人にも応用されていき、困っているからサポートしてあげようという自発的な気づきと行動につながっていきます。

親は格好つけて苦手なことや苦労話をいわないものです。私にもその傾向がありましたが、あるときから自分のことをオープンにしてみたら、子どもがたくさんのことをその中から学んでいくことに気づきました。

失敗談もいいですし、かつての恋愛話でもOKです。成功体験ももちろん、いいでしょう。ただし、ただ話すだけでなく、何が失敗・成功の要因で、自分一人の力では成し得なかったなどの自戒も含めて話してあげてください」(須合先生)

子どもの変化は、親が変わることから始まるという須合先生。また、親は完璧じゃなきゃいけないと思って肩肘張っている親御さんもいるけれど、人間臭くていい。余白のある親でいることが、子どもの自律性を刺激するとも話します。


次回は、親が《意識、言葉、行動》を変えたうえで、「自分で考えて、行動できる子になるための4つの力」について紹介します。

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◆須合 啓(すごう けい)
学習塾STUDY HOUSE代表。
20歳から塾講師をスタートさせ、その後は埼玉県の公立高校に12年間勤務する。高校教師時代は、12年間連続簿記検定全員合格と、偏差値30台の高校から難関大学進学へのサポートを行うとともに、野球部の監督として市内大会優勝なども導く。2015年、地元の秋田県に学習塾を開校。教員としてのキャリアは25年以上。中学受験では3年連続合格率100%、高校・大学受験でも県内トップや難関大学合格へ導く。塾では親御さんと密にコミュニケーションをとりながら、勉強だけでなく生活面のアドバイスも行い、子どもの自律性を引き出す指導を行っている。著書に『自分で考えて動ける子の育て方(明日香出版社)』がある。


取材・文/梶原知恵

『自分で考えて行動できる子になる子育て』の連載は、全4回。
第2回を読む。
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第4回を読む。
※公開日までリンク無効

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かじわら ちえ

梶原 知恵

KAJIWARA CHIE
企画・編集・ライター

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。

大学で児童文学を学ぶ。出版・広告・WEB制作の総合編集プロダクション、金融経済メディア、外資系IT企業のパートナー会社勤務を経て現在に。そのなかで書籍、雑誌、企業誌、フリーペーパー、Webコンテンツといった、さまざまな媒体を経験する。 現在は育児・教育からエンタメ、医療、料理、冠婚葬祭、金融、ITシステム情報まで、各媒体の企画・編集・執筆をワンストップで手がけている。趣味は観劇。特技は長唄。着付け師でもある。