子どもの「自主学習」 つまずいたときのサポートや親の関わり方は? 現役小学校教師がくわしく解説

【後編】 ~つまずいたときと親のサポート編~

桐朋学園 桐朋小学校教諭:伊垣 尚人

「自学ノートは子ども同士で見せ合ったり教え合うことがモチベーションにつながります」(伊垣先生)
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伊垣先生:それでも何をやったらいいかわからない子やモチベーションが続かない子には、1週間のカレンダーを作るのも効果的です。

子どもと相談しながら取り組みたいことのメニューを組んで、1週間やってみる。そしてまた相談しながら進めていくのを繰り返します。このカレンダーには保護者の方の確認欄も設けていて、家庭でも見届けてもらうようにしています。

大人は資料探しや本物に触れる体験のサポートを

──親のかかわり方も教えていただきたいと思っていました。親はどのように見守ったり、サポートしたりするのがよいのでしょうか?

伊垣先生:大人がサポートできるのは資料探しです。テーマに適したよい本があれば渡してあげたり、図書館に一緒に行ってあげたり。また、子どもが行ってみたい場所、やってみたいことに付き合ってあげるのもとてもいいと思います。

子どもは本物に触れるとさらにやる気になるので、そういった経験はぜひ大切にしてあげてください。

──忙しい親御さんも多いと思いますが、日々の声掛けで気を付けることはありますか?

伊垣先生:ノートを見て、感想を伝えるだけでもいいと思います。大人はどうしてもノートを“成果物”として評価しがちですが、なぜそういうことに興味を持ったのか、どんなふうに気持ちが動いたのかなど“文脈”や“ストーリー”が反映されているので、そこを丁寧に見るようにしましょう。

その上で、「これは知らなかった!」とか、「これはどういうこと?」など、感想や気になった点を聞いてみてください。

注意点としては、アドバイスできることがたくさんあっても10分の1くらいに留めること! 言いすぎてはいけません。大人も子どもの目線で一緒に楽しむようにしていただければと思います。

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