子どもの「自主学習」 つまずいたときのサポートや親の関わり方は? 現役小学校教師がくわしく解説

【後編】 ~つまずいたときと親のサポート編~

桐朋学園 桐朋小学校教諭:伊垣 尚人

何をやってもいい時間から「好き」が見つかる

──最初はカレンダーで一緒に取り組んでいたとしても、特に好きなことも調べたいこともない、という子はいませんか?

伊垣先生:いますよ。それでも「何でもいいからやってごらん」と、とりあえず任せることにしています。というのも、何か少しでも興味のあることをやり続けることから「好き」が見つかるからです。

実は僕のクラスでは、毎朝、校内にある自然広場で自由に遊ぶ時間を設けています。その時間に、校内の池で一年中ヤゴ(トンボの幼虫)を捕っている子がいるんです。

なかなか見つけられないギンヤンマのヤゴも20匹くらい集めてくる。その子は決して勉強が得意なほうではなくて、お母さんも「うちの子はヤゴばかり捕って」と心配するほどなのですが、僕はこういう経験こそがとても大切だと思っています。

ひとつのことに興味を持って、没頭して、遊び尽くすことは、学びへと繫がっていくからです。

ほかにも、木登りばかりしている子もいるし、ずっと鬼ごっこをしている子もいます。

もちろん途中で遊びが変わったりもしますが、自分のやりたいことや好きな過ごし方がそれぞれ見つかっていくんですよ。それは、なんでも自由にしていい時間があるからなんですよね。

「今の子どもたちはみんな忙しいですよね」(伊垣先生)
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伊垣先生:今の子どもたちは学校生活以外にも、習い事がたくさんあって本当に忙しいですよね。だから「何をやってもいい」という自由な時間を持つのがなかなか難しい。

でも僕は、子どもには「暇だな~」と思うぐらいの時間を過ごしてほしいと思っていて。その暇な時間から、好きが見つかるし、それがその子の個性にもなってきます。

だから自学ノートも、まずは「なんでもいいからやってごらん」、と伝えるようにしていますね。

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