【中学受験】に役立つ「親子で読みたい物語」8選 2020年度最多出題数を誇る王道作品〜最新出題まで

『十四歳日和』『雪の日にライオンを見に行く』『光のうつしえ』『物語ること、生きること』…

児童図書編集チーム

児童文学賞受賞が鍵!? 2024年度入試に出題された作品をご紹介!

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作品名:『雪の日にライオンを見に行く』
著者:志津栄子

【あらすじ】
中国残留邦人の祖父を持つ唯人は、何をするにも自信がなく、話すのも苦手。そんな唯人はクラスメイトがあれこれと話しかけてもそっけない返事ばかりして、クラスになじもうとしない、転校生の生島梓に親近感を覚えるようになる。老人福祉施設を訪問してのクリスマス会、年末年始の家族のやりとり、年明けのなわとび大会……。唯人は、中国残留邦人として祖父が抱えてきた悩みや家族への葛藤、梓が抱えている孤独を知っていく。

【出題ポイント】
中学受験では、その年に話題になった児童書から出題されることが多く、児童文学賞を受賞した作品は毎年注目を集めています。本作は第24回ちゅうでん児童文学賞で大賞を受賞した作品です。これまでにも同賞を受賞した作品が頻出しています。

作品名:『波あとが白く輝いている』
著者:蒼沼洋人

【あらすじ】
海光小学校6年生の三船七海は1歳のときに東日本大震災で母と祖母を亡くし、祖父と母の妹・汐里と暮らしている。ほとんど母の記憶のない七海は、母の同級生から、母が熱心に取り組んでいた海光祭のことを耳にする。それは地域の人たちの協力を得ながら作り上げる、海光小の大イベントだったが、震災後はとだえ、開催されていなかった。震災から10年が経ち、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか「亡き母が愛した、海光祭を復活させたい!」という思いをもとに七海の新しい挑戦がはじまる!

【出題ポイント】
第63回講談社児童文学新人賞佳作を受賞した作品で、同賞を受賞した作品も毎年中学受験の素材文として頻出しています。

また、本作は「新型コロナウイルス」という子どもたちの生活にも大きな影響を与えた社会的な事象をテーマにした作品。中学受験ではニュースや世の中の最新のトピックを取り上げた作品もよく出題されています。

作品名:『光のうつしえ』
著者:朽木祥

【あらすじ】
真夏の夜、元安川に、人々は色とりどりの灯籠を流す。光を揺らしながら、遠い海へと流れていく──。
68年前の8月6日、広島上空で原子爆弾が炸裂した。そこに暮らしていた人々は、人類が経験したことのない光、熱線、爆風、そして放射能にさらされた。ひとりひとりの人生。ひとりひとりの物語。そのすべてが、一瞬にして消えてしまった。終戦から25年後の広島、中学生たちを主人公に、残された人たちの悲しみ・苦しみの深さに触れる物語。

出題ポイント】
本作は、第63回小学館児童出版文化賞受賞作です。
日本の歴史的背景を題材にした作品は、当時を生きた人々の心や思いを想像することで、中学受験の物語文において重要視される「他者理解」が深まります。時代が進むことで風化してしまいがちな「原爆投下」の恐ろしさをどう伝えていくのか。親子で読んで感想を話し合ってみることが、子どもの新たな視点に繫がるかもしれません。

桜蔭や灘、多数の難関校で出題された作品とは?

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