「不登校の子ども」の親へ 鴻上尚史が助言 我が子が「学校に行きたくない」と言ったらどうすればよいのか?
シリーズ「不登校のキミとその親へ」#8‐3 作家・演出家の鴻上尚史さん~親の役割~
2024.10.30
作家・演出家:鴻上 尚史
「悩む」と「考える」の違いを知っておこう
親御さんに知っておいてもらいたいのは「悩む」と「考える」は違うんだっていうこと。
我が子が学校に行けなくなったら、まずは悩むと思う。だけど「困った困った」とアワアワ悩んでいるだけだと、何時間やってても一歩も先に進みません。疲れるばっかりです。
だけど、考えることを始めると、とりあえず次に何をすればいいかが見えてくる。学校に行けないならフリースクールを探してみようか、フリースクールってどうやって探せばいいんだろう、ネットで調べるだけじゃなくて本屋さんに言ってみよう……とかね。
そうやって調べても、フリースクールには行きたくないと言うかもしれない。じゃあ、家庭教師をしてくれる人を探してみようと思ったり、いや今はリハビリ期間だから、そういうことはしないでしばらく様子を見ようと判断したり。
「悩む」に没頭していると自分を見失って暴走しがちですが、「考える」の場合は自分をちゃんと冷静に見ることができます。
子どものキミも「悩む」と「考える」は違うんだと知っておいてほしい。悩んだところで、後ろ向きの発想になるばかりで出口は見えてきません。考えることができれば、次にやれることややりたいことが見えてくるはずです。
今、学校がすっかり息苦しい場所になってしまった。行きたくないと感じる子がどんどん増えているのは、無理もないんです。子どもが悪いわけじゃない。むしろ、ちゃんとした感性を持っている子ほど、学校に拒絶反応を示すんじゃないかと僕は思ってます。
だから親御さんも、我が子が学校に行けなくなったからといって、悲観する必要はまったくありません。「行きたくない」と言えた勇気や「行かない」という選択した決断力を高く評価してあげましょう。
親バカになっていいんです。我が子を心から信じて、我が子を誰よりも力強く応援できるのは、親の役目であり特権なんですから。
取材・文/石原壮一郎
※鴻上尚史さんの「不登校」記事を読む(公開までリンク無効)
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石原 壮一郎
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『コミュマスター養成ドリル』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652本を集めた『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』も大好評。 林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)では構成を担当。2023年1月には、さまざまな角度のモヤモヤがスッとラクになる108もの提言を記した著書『無理をしない快感 「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。 2023年5月発売の最新刊『失礼な一言』(新潮新書)では、日常会話からメール、LINE、SNSまで、さまざまな局面で知っておきたい言葉のレッドラインを石原壮一郎氏がレクチャー。 写真:いしはらなつか
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『コミュマスター養成ドリル』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652本を集めた『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』も大好評。 林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)では構成を担当。2023年1月には、さまざまな角度のモヤモヤがスッとラクになる108もの提言を記した著書『無理をしない快感 「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。 2023年5月発売の最新刊『失礼な一言』(新潮新書)では、日常会話からメール、LINE、SNSまで、さまざまな局面で知っておきたい言葉のレッドラインを石原壮一郎氏がレクチャー。 写真:いしはらなつか
鴻上 尚史
1958年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1981年に劇団「第三舞台」を旗揚げする。以降、数多くの作・演出を手がける。紀伊國屋演劇賞団体賞、岸田國士戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞など受賞。 舞台公演のほか、エッセイスト、小説家、テレビ番組司会、ラジオ・パーソナリティ、俳優、映画監督など幅広く活動。また、俳優育成のためのワークショップや講義も精力的に行うほか、表現、演技、演出などに関する書籍を多数発表している。 『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる』(岩波ジュニア新書)、『親の期待に応えなくていい』(小学館Youth Books)、『君はどう生きるか』(講談社)など、子どもと若者へのメッセージが詰まった著書も多数。 ●サードステージ公式HP
1958年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1981年に劇団「第三舞台」を旗揚げする。以降、数多くの作・演出を手がける。紀伊國屋演劇賞団体賞、岸田國士戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞など受賞。 舞台公演のほか、エッセイスト、小説家、テレビ番組司会、ラジオ・パーソナリティ、俳優、映画監督など幅広く活動。また、俳優育成のためのワークショップや講義も精力的に行うほか、表現、演技、演出などに関する書籍を多数発表している。 『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる』(岩波ジュニア新書)、『親の期待に応えなくていい』(小学館Youth Books)、『君はどう生きるか』(講談社)など、子どもと若者へのメッセージが詰まった著書も多数。 ●サードステージ公式HP