
【中学受験伴走】「理科が得意」になる子の育て方 「知らない」を恥ずかしがらせない 難関校合格率抜群中学受験塾『グノーブル』3人の理科専任講師が解説
「グノーブル」理科編 #2 ~4・5年生編~
2025.08.16
教育ジャーナリスト:佐野 倫子
理科の本質は「まだわからない」を大切にすること
上原先生:4年生はまだわからないことばかりです。大人が常識だと思うようなことも、まだまだ考えたこともないのが当然です。私たちは教えるときに、極力それを恥ずかしがらないこと、恥ずかしがらせないことが大切だと思っています。
例えば、4年生に「昆虫の足を3対描いてみよう」という授業があるとします。すると「正確に描けないから描かない」というお子さんが多くいるのです。それは間違えるのが恥ずかしいから。
そのときに、「まずは描いてごらん」と声をかける。そして、描いたものに対して、「おお! 頭から足が? それは新種かもね!」など、楽しく、おおらかな空気で進めると、どの子も描くようになっていきます。4年生の学習を見守るときは、この気持ちを持つことが大切ですね。

──そう伺うとホッとします。だからこそ、前回(1回目)で伺った低学年のときに実体験をたくさんして、「理科の常識のタネ」をたくさん持っておくといいのですね。
上原先生:そうです。理科の本質は、「まだわからない」を大切にすることです。「風はなぜ吹くの?」「太陽はなぜ東からのぼるの?」といった問いに、正解じゃなくていいから自分なりに考えてみることが、理科の素地を作っていきます。間違えることに対してハードルを下げて、自発的に考えられるように取り組んでいくことが大切です。