中学生と子育てする“赤ちゃん授業” ママパパも救われる想定外の効果とは?

東京都世田谷区で実施「赤ちゃんとのふれあい体験授業」#3 ~アフタートーク編~

編集者・ライター:関口 千鶴

ママの手から離れても、生徒の腕の中で落ち着いた様子の赤ちゃん。生徒のみんなもうれしそう。  写真:関口千鶴

東京都世田谷区の中学校で行われている赤ちゃんとのふれあい体験授業、通称「赤ちゃんを連れて学校へ行こう!」。子育て中のママパパが赤ちゃんを連れて中学校に訪問し、世代を越えたあたたかな交流が生まれています。

これからの時代を生きる中学生が、赤ちゃんやママパパと交流することで、異世代への理解を深め、地域社会とのつながりを学ぶ場になることを目指しています。

そして、この交流から学びを得ているのは中学生だけではなく、参加しているママパパにとっても実り多いものになっているようです。

※全3回の3回目(#1#2を読む)

育休中のパパも参加!

2022年12月、体験授業にボランティアとして参加したのは、8組のママパパと赤ちゃん。4ヵ月~1歳2ヵ月までの赤ちゃんが、初めて会う中学生と約1時間にわたり交流しました。

慣れない手つきで怖々と抱っこする生徒たちを「そう! 抱っこ上手だね!」「目を見て話しかけてあげて」などと励ますママパパたち。

自分の子どもが、生徒たちの腕の中で楽しそうに笑っていたり、人見知りをして泣いていたりする姿を、笑顔で見守っている様子が印象的でした。

この日、夫婦で一緒に参加されていた家族が1組いました。生後4ヵ月の赤ちゃんを連れての参加です。パパのTさんは、会社の制度を利用し現在育休中とのこと。

親子3人で参加されたTさんご家族。貴重な男性育休の話に生徒たちも興味津々でした。  写真:関口千鶴

「今日で2回目の参加ですが、本当に参加してよかったです。うちの子がいろいろな生徒さんとふれあえるというのがうれしかったですね。

そして、私みたいに男性育休を取得するパパもいるんだということを、生徒さんに伝えられたのもよかったです」(Tさん)

体験授業の中で生徒たちと話をした際に、自身の男性育休取得について話すことができたといいます。

「男性で育休を取る人って、まだまだ少ないんですよ。私は妻にも望まれましたし、たまたま上司や同僚にも恵まれて半年の育休を取ることができました。ただ、実際に取る前は、ものすごく不安でしたね。

でも、今は取ってよかったと心から思っています。子どもの日々の成長を目の前で見ることができる喜びは、ほかの何ものにもかえがたいものですから」(Tさん)

赤ちゃんが生まれたのは、8月上旬(2022年)。でもTさんが育休を申請したのは10月~翌年3月までの6ヵ月間。育休期間に入る前は有給休暇を消化したり、ママは公共の産後ケア施設などを利用してなんとかやりくりをしながら、夫婦ふたりで新生児の育児を乗り越えてきたと話してくれました。

「2022年10月に男性育休に関する法律が変わりましたが、実際のところ、まだまだ取得が難しい状況だと思います。でも、私自身は本当に取ってよかったと思っているので、この先、子どもを迎える人たちにも勧めたいです。

今日出会った中学生たちが、親になるころには男性育休が当たり前になっているといいなと思っています。そんな話を生徒さんたちとできたことは、私たち夫婦にとってもありがたかったですね」(Tさん)

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