月と虫の声を愛でながら…「秋の夜長を楽しみたいとき」おすすめの絵本

大人に効く絵本〔14〕『ネコヅメのよる』『もっかい!』『なく虫ずかん』がおすすめ

身近な虫の声に親子で親しめる1冊

最後に、お子さんと読んでほしい絵本として『なく虫ずかん』(絵:松岡達英、文字:篠原榮太、音:佐藤聰明、文:大野正男)をご紹介します。

夜になると、虫の声が聞こえてくる季節。でも、声は聞こえても、姿が見えないことがほとんどですよね。『なく虫ずかん』は、コオロギやキリギリス、セミといった55種類の身近な虫の声を、文字と絵で紹介している新しい形の絵本です。

大きい声、小さい声、響く声、やさしい声……いろいろな虫の声を文字の色や大きさ、デザインで表現していて、目で見て、声を想像することができます。虫の声を音階で再現した楽譜がついているのもユニークです。

――昆虫の専門家、作曲家が監修していて、大人も十分に学べる内容ですね。

虫が苦手で、<写真の昆虫図鑑はちょっと……>というパパママにも、読みやすいと思います。

もし、<チリーンチリーン>と声が聞こえてきたら、お子さんと一緒にこの絵本を広げてみてください。<どんな虫さんがないているんだろう><こんな虫さんかもしれないね><草むらでないているのかな>。そんな会話をしながら、秋の夜長を楽しんではいかがでしょうか?
1991年発行のロングセラー。虫のなき声をリアルな絵と楽しい文字、楽譜とともに紹介する『なく虫ずかん』(絵:松岡達英、文字:篠原榮太、音:佐藤聰明、文:大野正男/福音館書店)。
取材・文/星野早百合
17 件
いのうえ まどか

井上 まどか

絵本カフェ「ムッチーズカフェ」店長

絵本カフェ「ムッチーズカフェ」店長。絵本専門士、保育士、幼稚園教諭一種、認定心理士の資格を保有。都内の公立保育園に9年間勤務した後、“夢と魔法の王国”での自称・お姉さんを経て、2016年、大人のための絵本カフェ「ムッチーズカフェ」をオープン。 2020年11月には、東京・西荻窪にリニューアルオープンを果たす。絵本コラムを多数執筆し、雑誌『たのしい幼稚園』(講談社)では、おすすめの絵本を紹介する連載『たのしい絵本館』を担当。2021年度より、「認定絵本士養成講座」(国立青少年教育振興機構)の講師も務める。 ムッチーズカフェ 公式サイト https://mucchis-cafe.jimdofree.com/ ムッチーズカフェ Twitter  https://twitter.com/mucchiscafe

絵本カフェ「ムッチーズカフェ」店長。絵本専門士、保育士、幼稚園教諭一種、認定心理士の資格を保有。都内の公立保育園に9年間勤務した後、“夢と魔法の王国”での自称・お姉さんを経て、2016年、大人のための絵本カフェ「ムッチーズカフェ」をオープン。 2020年11月には、東京・西荻窪にリニューアルオープンを果たす。絵本コラムを多数執筆し、雑誌『たのしい幼稚園』(講談社)では、おすすめの絵本を紹介する連載『たのしい絵本館』を担当。2021年度より、「認定絵本士養成講座」(国立青少年教育振興機構)の講師も務める。 ムッチーズカフェ 公式サイト https://mucchis-cafe.jimdofree.com/ ムッチーズカフェ Twitter  https://twitter.com/mucchiscafe