子育て中 一緒にいるとイライラ!? 変化したパートナーとの接し方とは
子育てのために 夫婦関係を見直すヒント〜高濱正伸の 毎日子育てガッツポーズ〜
2021.11.29
笑顔で子育てを楽しんでいくためにも、一時立ち止まって、夫婦のありかたをお互い見つめなおしてみませんか?
(「たのしい幼稚園」1月号(2020年11月27日発売)掲載)より
夫婦関係をアップデートする
とくにコロナ禍で生活環境が一変。家族が「密」になったことで、今まで「見なかった」「聞かなかった」ことにしてスルーしていたことが、気になりはじめて、不平不満が噴出してきたという、家庭も少なくないようです。
そこで、こんな時期だからこそ、夫婦のありかたについてお互い見つめ直し、楽しく子育てができる関係の再構築をして欲しいと思うのです。
そもそも夫と妻(男女)は、物の見方や捉え方、感じ方がまるで違う生き物です。まして、育った環境や価値観も違う異文化の二人が一緒に生活をしていくのです。
お互いが、色々な面をすり合わせていかなければ亀裂が生じるというものです。「でも結婚前はうまくいっていた」と言うでしょう。それは、一緒にいるだけで楽しくて、大概のことを許せてしまうという、‶神様がくれた恋愛マジック″にかかっていただけのこと(笑)。
それが結婚、生活、まして子育てとなってくれば、その魔法もとけてきてしまいます。お互いの関係を恋人から「家族」へと最新の状態にしていかないと、不具合が出るのは必至なのです。
メタモルフォーゼした 妻を愛す!
命がけで産んだ大切な子どもを守るためには、夫にさえ牙をむく勢いがあるのです。
「恋愛時代あんなにかわいらしかった彼女がきつくなって、自分に突っかかってばかり」とぼやくお父さんは、そこのところをまず、理解しないといけません。
そして、わが子のために逞しく‶変身″してくれた妻を「ステキ」だと惚れ直し、尊敬すべきですね!
女性は子どもが生まれた瞬間から「母親」の顔と覚悟を持てるけれど、男性は、育児に関わりながら母親の体感を共有し、「父親になる」ことを意識しなければ、子の親として妻と同じ土俵に上がることもできないのです。
だからお母さんも、一歩遅れて「親」になっていく夫をやさしい気持ちで見守ってあげてほしいと思います。
また、もともとまるでちがったビジョンで生きているものなのに、「母」要素が加わることによって、男性側からは、より複雑な異星人のように感じるかもしれません。
でもそれは、妻から見た夫も同じことです。「何かしてほしいことがあったら言ってくれればいいのに」と夫から言われることにイラッときませんか?
「なんで気づかないの? 言われないとわからないなら、いいわよ」という感じで。
そうなんです!
お互いに「見えている方向性」が全く違うので、相手の心に焦点をあてて「想像」し「思う」ことをしなければ、絶対にかみ合わないものなのです。
相手が大切に思っているものを、大切に
相手の話をきちんと聞く 聞いてもらう努力をする
例えば妻が「ちょっと聞いてよ。今日ね……」と話しはじめると「それで? 結局何?」と、夫は口をはさみがちですよね。これこそが‶地獄へのパスポート″となることを、夫は学習しなくてはいけません。
男性は、要点と結論にしか興味がなく、オチの無い話はたいくつでしかたがない。しかも話は起承転結がついてなんぼと思っています。
しかし女性は、話のプロセスこそが重要。四方に伸びた枝葉の話にもそれぞれ意味があり、聞かせたいことなんです。
なんなら解決策はとっくに決めているのでアドバイスもいらないくらいだったりする。
ただただ話を聞いてほしいだけなのです。これはもう男性側からすれば、女性とはそういうものだからと理解するしかないのです!
ただ時にはお母さんだって「一緒に考えてほしい」話もありますよね。そんなときには「ちゃんと聞いて」感を出して話し始めないと、夫にサラッと聞き流されてしまい「聞いてなかったの?」なんて、違うイライラが起きてしまうので気をつけないといけません。
それを回避するためには、「真顔法」で話す術を身につけたり、夫婦間ミーティングを習慣にしたりして、きちんと話し合う時間をもてるようにしておくことも大切です。