2021.04.05

「プランターひとつ」親子でベランダ菜園 ミニトマト育てから感じる自然の力

親子でカンタン家庭菜園:第3回〔中級編:ミニトマトの苗を植えよう〕

寄稿家:藤田智

教えていただいたのは、テレビの園芸番組でもおなじみの恵泉女学園大学・藤田智先生。
撮影 深澤慎平

親子でできる、プランターひとつで失敗しないベランダ栽培。第2回のコマツナ編に続いて、第3回はサラダにお弁当に大活躍のミニトマトのベランダ栽培。今回も恵泉女学園大学・藤田智先生に教えてもらいました。ミニトマトは花が咲いてから40日ぐらいで収穫できますよ。

親子でミニトマトの苗を植えよう

【用意するもの】
・ミニトマトの苗 (1株)
・プランター(直径30㎝×深さ30㎝ほどのもの)
・培養土(15ℓ入りを目安に)
・赤玉土(大粒)
・スコップ
・ジョウロ
・支柱(仮支柱、本支柱各1本ずつ。本支柱は150㎝ほどのもの)
・ひも
・化成肥料(粒タイプ、または液体タイプでも)

ミニトマトの苗は4月下旬頃から園芸ショップなどに出回ります。ミニトマトの苗の選び方は、”つぼみがある”、または”花が咲きかけている”苗を選びましょう。ただし、花がたくさん開いている苗の場合は下の葉が枯れていることも。下の葉も元気かどうか確認が必要です。

【ミニトマトの苗の植え方】

①赤玉土(大粒)をプランターに入れる。底全体が埋まるぐらいでOK。(写真左)
②赤玉土の上に培養土を入れる。(写真右)
【ポイント】
赤玉土を底に入れると通気性がよく、水はけがよくなる。

③土を入れたプランター中央に、ポットの苗より少し大きめの穴を掘る。(写真左)
④ポットから苗を抜き、③の穴に入れる。(写真右)

⑤苗に土をかぶせ、表面をならす。

撮影 深澤慎平

苗を植えたら、下から水が流れ出るぐらいたっぷりと水をやりましょう。ミニトマト栽培には水やりの頻度が大切と藤田先生。

藤田「水は毎日ではなく、土が乾いたら、下から流れ出るぐらいたっぷりやりましょう。水はやりすぎると根が腐ってしまいますからね。ちなみにミニトマトの原産地はアンデス山脈。乾燥している地域の生まれなんです。だから水が少なめの方がおいしいミニトマトになるんですよ。
梅雨の時期などは雨に当てすぎないよう、ベランダでも屋根のある所にプランターを置くといいですね」

枝が倒れないように「誘引」して支柱を立てよう

苗を植えたら、次は”誘引”をします。”誘引”とは茎をひもで支柱に結び、安定させて上に伸びていくようにすること。ミニトマトはぐんぐん高く伸びるため、途中で支柱を大きいものにします。植え付けの時は短い仮支柱を立て、成長してきたら150㎝ほどの高い支柱を追加して立てます。

【誘引のやり方】

①支柱を立て、ミニトマトの茎にひもをかける。(写真左)
②茎から指1本分ぐらいあけて3~4回ねじる。(写真右)
【ポイント】
茎は太く成長するため、写真右のように、指1本分の空間をあけてからねじるようにしましょう。

③支柱に二重に回しかける。(写真左)
④最後は蝶結びにする。(写真右)

仮支柱で誘引、完成!
撮影 深澤慎平

茎がどんどん成長して、高くなってきたら高い支柱を立てましょう。

高い支柱を立てるときも、仮支柱を立てたときと同じ方法です。
①高い支柱を苗の横に立てる。(写真左)
②枝と支柱に空間を開け、3~4回ねじってから支柱に二重に回しかけて蝶結びにする。(写真右)

「わき芽かき」が失敗しないポイント!

これがわき芽。このわき芽は成長していますが、芽が出たばかりのわき芽を摘んでもOK。
撮影 深澤慎平

わき芽かきとは、主枝1本だけを伸ばしていくために、出てきたわき芽は摘み取ること。こうすると余計な枝や葉が出なくなります。わき芽は成長とともにどんどん出てくるので、週に1回はやるようにしましょう。

わき芽を指でつまみ(写真左)、ぐっと引っ張って取る(写真右)。
他にも出ているわき芽がある場合は、すべて取る。

ほかにも知っておきたい、おいしいミニトマトを育てるコツ

・苗植えをした2週間後から化成肥料を手のひらひとつかみほど追肥する。その後、2週間に1度ほどの追肥を繰り返す。液体の肥料でもOK。その場合はジョウロの水に混ぜ、1週間に1度、水やりと一緒に与える。
・日当たりは南、もしくは東向きの場所に置く。日は多少、日当たりがない時間があっても野菜は育つが、ベランダの中でも比較的日当たりのいいところを選んで置くようにする。
・花が咲いてから40日後ぐらいが収穫の目安。実が色づいたら、はさみで収穫する。

野菜は買った方が安いけれど…… 家庭菜園で育つ「子どもの心」

藤田「正直、プランターでもなんでも、野菜を作るのは意外とお金がかかります。野菜を買ってしまう方が早いし、安いんですよ。でも、道具の準備をするところから含めて、やってみないとわからないことがいろいろある。それを親子で一緒に体験することが大事だと思うんです。野菜に虫がつき、育てた野菜が食べられちゃうことだって、体験してみないとわからないでしょう? それに今はスーパーマーケットで季節に関係なく、いろいろな野菜が手に入る時代です。でも自分で野菜を育てると、野菜づくりには必ず四季が関わってくることがわかります。ベランダ菜園でも季節を感じる心が育ち、野菜の旬について親子で話し合う機会が増える。ぜひ、お子さんと自然の力を一鉢のプランターから感じてみてください」

藤田先生、どうもありがとうございました。

取材・文 上坂美穂

寄稿家紹介

藤田智 ふじたさとし

恵泉女学園大学・社会園芸学科教授。1959年秋田県湯沢市生まれ、岩手大学大学院修了。恵泉女学園大学では、野菜園芸学、農業教育学などを担当。各地の市民農園講座でも野菜づくりの指導を積極的に行っている。また、Eテレ『趣味の園芸・やさいの時間』のほか、TV・ラジオなどにも多数出演。
【主な著書・監修】
『野菜づくり大図鑑』講談社/『ベランダ畑』家の光協会/『「よくある失敗」と「対策」がわかる野菜づくり』日本文芸社/『コンテナ菜園を楽しもう』『新・野菜づくり大全』NHK出版など