2021.09.03

「子どもが仲間外れ!?」心配に振り回されないための親のふるまいとは

人生相談本コレクター・石原壮一郎のパパママお悩み相談室〔07〕

寄稿家:石原壮一郎

石原ジイジの孫・F菜ちゃんの背丈は今、ちょうど稲穂と同じくらい。これから先、稲穂を追い越してどんどん伸びていきますね。このときは、カエルを見つけて大喜びしていたそうです。  写真:おおしたなつか

パパママは今日も悩んでいます。夫婦の関係や子育てをめぐる困りごとに、どう立ち向かえばいいのか。

500冊を超える人生相談本コレクターで、2歳の孫のジイジでもあるコラムニスト・石原壮一郎氏が、多種多様な回答の森をさまよいつつ、たまに自分の体験も振り返りつつ、解決のヒントと悩みの背後にある“真理”を探ります。

今回は、「子どもが仲間外れになっている」というママ(6歳女児の母38歳)のお悩み。はたして人生相談本&石原ジイジの答えは?

子どもが耐えていたら 親は先回りを耐えて

「仲間外れにされているのだろうか」「いじめられているかもしれない」――。こういうフレーズを目にしただけで、親としては胸が苦しくなるじゃろう。

保育園にお迎えに行くと、ひとりでポツンと遊んでいることが多い6歳の娘。仲のいい友だちがいる様子もない。そんな娘が心配でたまらない相談者。人生相談の回答がやさしく肩を叩く。

最初に紹介するのは、【息子が少年野球で孤立――安易に入団させたことを後悔】という小学生のママからの相談。「2人組で練習する時、相手の子に『こいつとは組みたくない』と言われ、息子は一人で、皆の球拾いをしていました」とのこと。そんな様子を見て、続けさせるかやめさせたほうがいいかと悩んでおる。

スポーツジャーナリストの増田明美さんは、まず「立派な息子さんですね」とホメた上で、迷えるママをこう励ます。

〈皆の球拾いをしながら、悔しい思いや恥ずかしい思いをいっぱい味わっているでしょう。それなのに野球をやめるとは言わない。耐える力の強い子どもだと感じます。この経験はこれから少々の困難には負けない強い心を育みますよ。(中略)せっかく始めた野球ですから、やるだけやってみる。それが大事です。その結果やっぱり自分には合わないと思った時は、息子さんが決断するでしょう。(中略)今は世間の波風に負けない、自分という木の根っこを作る時です〉
(初出:読売新聞に連載中の『人生案内』。引用:増田明美著『認めて励ます人生案内』2013年、日本評論社)

相談には「夫は『子どものことだから放っておけ』と言い、あまり手助けしてくれません」という不満も述べられている。増田さんは夫の反応の是非には言及せず、お父さんが休日に一緒にキャッチボールをするなどして、息子さんの自尊感情を高めてあげてほしいとアドバイス。

つらい状況に見えたとしても、もし親が先回りしてやめさせたら、せっかくの子どもの頑張りが台無しである。親として、ここは我慢のしどころかもしれん。

子どもを信じてあえて「見てみぬふり」を

続いては、父親からの【友だちがおらず、学校でぽつんとしている娘】という相談。

小学校4年生の娘さんは、小さいころから人に話しかけるのが苦手で、今も遊び時間はひとりでいることが多い。妻は不安をつのらせ「自然体で娘と接することができない状態」だという。

児童文学作家で『ズッコケ三人組』シリーズでおなじみの那須正幹さんは、自分の子どもも人間関係にくたびれ果てている様子が伺える、と共感を示しつつ、ビシッと忠告する。

〈わたしから見ると、お嬢さんよりも、奥様の精神状態のほうが気がかりです。さらにいえば、奥様の言動によって、わが子のことを不安がるご主人の性格にも、多少問題があるのではないでしょうか。(中略)ここはひとつ、どっしり構えて、大丈夫というところを見せてあげてください。ご両親が、あまり神経過敏になると、逆にお嬢さんにも悪影響がおよんでしまいます。良い意味での「見てみぬふり」をするのも、親の務めだということを認識してください〉
(初出:ネット研究室「子ども未来研究室」。引用:那須正幹他回答『親と子の悩み解決のための21世紀型ナビゲーション』2003年、ポプラ社)

回答の締めの言葉は、次の通り。〈親は、教育学者でもないし育児評論家でもありません。親にできることは、わが子を世界じゅうのだれよりも信頼することです。それさえできれば、お子さんは、かならず立派に成長します〉。

子どもの性格にも行動パターンにも「正解・不正解」はない。「評価」や「分析」をしたくなる誘惑は、全力で振り切りたいものじゃ。

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