2021.10.14

「空はどうして青いの?」子どもに天気の不思議をどう伝えるか? 

気象予報士・増田雅昭さん「子どもに伝える お天気の不思議」#1

寄稿家:増田雅昭

空が青く見えるのには、「太陽の光」と「空気」が関係している。
写真:アフロ

気持ちいい秋晴れの日。澄み渡る空を見上げた子どもに「ねえ、どうして空は青いの?」なんて知的好奇心に溢れた質問をされたら、「ちゃんと答えてあげたい!」と思いますよね。でも実はその理由を知らない、という人も多いはず。

生活に密接しているけど、詳しいメカニズムは知らない人も多い「天気」。子どもからの素朴な疑問に答えられるよう、気象予報士の増田雅昭さんに教えてもらいます。

増田さんはTBSテレビ・ラジオ等で活躍中で、子ども向けのお天気出前授業や実験イベントなども行っているお天気の専門家。

シリーズ第1回目は、空が青く見える理由と「子どもへの教え方」を、わかりやすく教えてもらいました
。(全4回の1回目)

空はどうして青く見えるの?

大人にとって空が青いのは当たり前のことなので、子どもに「なんで?」と聞かれて始めて「なんでだろう?」と考える人も多いのではないでしょうか。まず大人向けに、空が青い理由をできるだけ噛みくだいて説明しましょう。

記事の最後に、年長さんから小学校低学年くらいの子どもを想定した、空が青い理由の説明をしますから、そこまでついてきてくださいね。

空が青く見えるのには、「太陽の光」と「空気」の2つが大きく関わっています。

太陽の光は白っぽく見えますが、実は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった色が混ざっています。絵の具は混ぜれば混ぜるほど黒に近づきますが、光は混ぜるほど白くなるのです。

そして光は色ごとに「波長」が違います。波長は、紫に近づくほど短く、赤に近づくほど長くなります。

太陽の光の波長は、紫に近づくほど短く、赤に近づくほど長い。

太陽の光は地球に降り注ぐとき、空気の層を通過してきます。空気中には酸素や窒素の分子がたくさんあって、これらに太陽の光が当たると、光が散らばります。これを「散乱」と言います。

散乱の仕方は波長によって違い、波長が短いものほど強くパーンと散らばります。長い波長のものは散乱せず、そのまま通過します。

青の光が空で散らばって、空が青く見えている。

太陽の光に含まれる色のうち、短い波長を持っている青や紫だけが上空で散乱し、それを地上から見ることで空が青く見えるのです。それ以外の色は散乱せずにそのまま地上に届いていますが、全部の色が混ざっているので白っぽい光として見えます。

夕焼けや朝焼けはどうして赤っぽく見えるのか?

同じ理屈で、夕焼けや朝焼けが赤っぽく見える理由も説明できます。

昼間、太陽が頭上にあるとき、太陽の光が地上に届くまでに通る空気の層は数十kmほどです。ところが、夕方や早朝のように太陽が地平線に近いときは、何百、何千kmもの空気の層を通ってくることになります。

そうなると太陽の光のうち、まず青の光が散乱してしまい、他の色もだんだん散乱して、最後に自分のところまで届くのは、波長の長い赤っぽい色だけになるのです。

波長の長い、赤っぽい光だけがぶ厚い空気の層を通り抜けてくることができる。

空が白っぽく見えるときがあるのは?

晴れているのに、空が白っぽく見える日もありますよね。これは、多くの場合、上空に漂っている水蒸気(目に見えない水の粒)が原因。水蒸気が多い日は、青以外の色も水の粒にぶつかって散乱してしまうので、色が混ざって白っぽく見えるのです。

上空にチリやホコリが多いときも同じようになります。大陸のほうから黄砂やPM2.5が飛んできたときに空が白っぽく見えるのは、粒子そのものが見えているのでなく、光がその粒子に当たって拡散している影響が大きいのです。

その逆で、山の上で空が青くきれいに澄んで見えるのは、海面から離れているので湿気が少なく、空気にチリやホコリが少ないからなんですよ。

空が青い理由を子どもに説明するときは

では最後に、年長さんから小学校低学年くらいの子どもを想定して、空が青い理由を説明してみましょう。

「太陽は光を出しているよね。太陽の光は、実は青とか赤とか黄色とか、いろんな色が集まっているんだ。それで、太陽の光は宇宙から地球に届くとき、地球を覆っている空気を通り抜けてやってくるんだよ。そのとき空気の中にある小さな粒に光が当たって、あちこちに飛び散るんだ。いろんな色の中で、青い光が一番散らばりやすくて、空のところで散らばるから空が青く見えるんだよ」

さて、これで納得してもらえるでしょうか? おうちでは、お子さんの理解力に合わせて表現を変えたり、図を描いたりして、教えてあげてくださいね。

取材・文/片桐はな

寄稿家紹介

増田雅昭 ますだまさあき

ますだまさあき 気象予報士。株式会社ウェザーマップ所属。TBSテレビやラジオ等に気象キャスターとして出演中。企業へのオーダーメイド予報や気象相談、アドバイザーも担当。災害から身を守る気象情報の使い方についての講演や、子ども向けのお天気出前授業・実験イベントなども行っている。通称「天気が好きすぎる気象予報士」。

【主な著書】
『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図』(ベレ出版)