2021.11.08

高速船に乗ってピアノ教室へ! オンライン化が進んだ竹富島の最新習いごと事情

首都圏から竹富島へ移住! 島暮らしの子育てと学び【07】

のぞき込むだけで魚が見えるほど澄んだ海の竹富東港からピアノのレッスンへ。高速船で15分の隣島・石垣まで通っています。 
写真提供:片岡由衣

東京で育ち、結婚後は子ども3人&夫の5人家族で神奈川県に暮らしていたライター・片岡由衣さん。夫の仕事都合で、2019年春に人口約300人の小さな離島・竹富島(沖縄県八重山郡)へ引っ越してきました。

島での驚きや発見を綴る連載の7回目は、子どもたちの習いごと事情について教えてもらいました。

島にピアノを持ってこなかったわけ

竹富島へ引っ越す前、「習いごとはあるのかなあ」と気になっていました。当時は長男と次男はピアノを習っていて、自宅に私が子どもの頃に使っていたアップライトピアノがあったのです。

「ピアノって離島に運べますかねえ?」

当時習っていたピアノの先生にたずねると「片岡家は転勤が多いご家庭だから、また引越す可能性がありますよね。ピアノを持っていって、また引越しで他の場所へ運ぶとなると、ピアノを買えるくらいの金額がかかるかもしれませんよ」との返事。

引越して、落ち着いてから電子ピアノを購入するのも良いと思う、とアドバイスをいただきました。転勤族だと、習いごとを続けるのも一苦労です。加えて、私は竹富島に引っ越すにあたり、子どもたちの習いごとを一度すべてリセットしようかなとも考えていました。

余白のある暮らしの中で、好きなことを思い切りしてほしい。習いごとで毎日大忙しではなく、遠くへ出かけるのでもなく、自然の中で思い切り遊んだり、家でのんびり読者や工作など自由な創作ができるのが理想だなあと考えていました。

習いごとは、子どもたち自身から「これをやりたい‼︎」と湧き出てくるまで様子を見ようと決め、アップライトピアノは都内の実家に置かせてもらい、竹富島へとやってきました。

神奈川にいた頃、ピアノ教室主催のコンサートに参加。母子3人でお世話になり、3人で連弾も披露したのは忘れられない思い出。親子で同じ習いごとをするのも楽しいです!
写真提供:片岡由衣

陸上クラブに英語遊び 三線教室も

引っ越して3日目だったでしょうか。私と夫が引越しの片付けに追われていた頃、仲良くなった友達から声をかけてもらい、小学生向けの陸上クラブに参加しました。

週に2〜3回、放課後に島の集落の周りを囲む約3kmの道路を走ります。ときには芝生の広場でリレーや鬼ごっこをすることも。長男と次男も参加を始め、小学1年生から6年生まで、お互いに励まし合いながら走っています。

指導してくれているのは、島民の方で、普段は観光の仕事をしながら25年以上(2021年現在)も続けているボランティアで、子どもたちの放課後に指導をしてくれていると聞いて驚きました。子どもたちは「たけとみ」と胸に書かれたおそろいのユニフォームを着て島の中を駆け回っています。

島に来て3年目になり、今はこのクラブをお休みしていますが、とても感謝している習いごとの一つです。

息子たちはこのユニフォームをとても気に入り、家族で沖縄本島へ行ったときも持参したほど。朝からお父さんと走っていました。
写真提供:片岡由衣

家のすぐ近くにある何もない広場で、みんな大きな声を出して走っています。
写真提供:片岡由衣

また、「英語で遊ぶ会」という島の子どもたちのために英語教室を自宅で開いてくれている方がいます。竹富島在住の写真家で、学生時代をアメリカで過ごした水野暁子さん(http://a-mphoto.com/)。

暁子さんは、ママ友でもあります。自分の娘さんがお友達と楽しく遊べる場を作りたい!と2014年から続けている教室で、英語で歌ったり、クリスマスやハロウィンカードを作ったり。こちらには5歳の末娘が参加していました。

この会が特別なのは、オヤツを持ってピクニックすること! 大きな木が並ぶビーチで、きらきらとした海を眺めがら英語で絵本を読んだり、少しおしゃべりしてオヤツをいただく。ここでしか体験できない英語の習いごとです。

大きな木とブランコがある「カイジ浜」。星砂の浜として有名です。「英語で遊ぶ会」では、この場所でよくピクニックをしています。
写真提供:片岡由衣

沖縄といえば、ヘビの皮を張った三弦の楽器「三線(さんしん)」が有名です。地域行事のときに必ず演奏しているのを見かける三線や横笛も、子どもたちのための教室があります。我が家の子どもたちは今のところ参加したことはありませんが、地域の方が子どもたちのために、いろいろな体験の機会を作ってくれていることにうれしく思いました。

一方、「子どもたちのタイミングを待とう」と思いながらも、あまりにも日々のんびり過ごしている姿に心配になることもありました。「陸上のクラブもやめちゃって、横笛や三線にも興味がなさそうで……」と、高校生のお子さんがいるお母さんにぽろっと話したところ、「いいのよ〜。タイミングがあるから。やりたいことをやるのが一番だよ」と言ってもらい、あせらず子どもたちのタイミングを見守ろう! と、思い直しました。

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