子どもが絶対笑う絵本 なぜ子どもは「オノマトペ」で爆笑するのか?
びょーん ガタンゴトン ぐるぐる ビリビリ ブーブー なぜか子どもが笑う擬音語の謎について絵本作家に聞いてみた
2022.03.22
絵本作家:しみず だいすけ
なぜ子どもはオノマトペが好きなのか?
うちの子もオノマトペが好きですね。
よく「読んで読んで~」とオノマトペの絵本をもってきます。
ぼくは絵本作家ですから、なぜ「こんなにオノマトペが好きなんだ?」と考えたんです。
オノマトペは音楽だ⁉
だって「べべべべべー」とか「ぴょぴょぴょぴょーん」「ぼよん」とか、言うだけで大笑いしてる。
単純に音として楽しんでいるイメージです。
これって、楽器の演奏や音楽を楽しむのといっしょなのかもって。
楽器の演奏にも言葉はありませんが、聴くと心地よくなったり、元気になったり、ワクワクしたりしますよね。
音楽と同じように、子どもたちはオノマトペの響きを聞いたり、音を声に出すだけでも楽しいのかもしれませんね。
生まれて最初に接する言葉
うちの子の赤ちゃんのころ「んばんばんば」「ぶぶぶぶぶ」「だーだー」とか、よくなぞの言葉でおしゃべりしていました(笑)。
よく考えれば親が語りかける言葉も「マンマ」「ブーブー」「ワンワン」「ニャンニャン」など、オノマトペですよね。
なんでだろ? あ、わかりやすいんだ! って。
だって「ワンワン」って鳴いているから物と音が直結してる。
子どもが初めて出会う物、事象、状態……はっきりわからないものに対して五感を総動員して直感的に受け入れる方法がオノマトペなのでは? と。
だから子ども自身、気持ちが寄せやすいのかもしれませんね。
感情が伝わるオノマトペの魔法
体を動かしながら「ぐぐぐぐぐぐー」「ぴかん!」「どどどどどどーん」「びーびーびーびー」「きらきらきらきら」と。
これ、やってみるとわかるのですが、お互い感情がすごく伝わるんですよ。なぜか理解できる。
聞いた話ですが、子どもは表情から感情を読み取るのがあまり得意でないそうです。
言葉の理解もまだ未熟ですから、子どもに感情を伝えるのはなかなかむずかしい、とぼく自身感じていました。
だから叱るときに「お父さんは怒っているよ」ではなく、「お父さんはプンプンだよ」と言ってみたら、そのほうが伝わった気がしました。
しかも、相手が怒っているのは伝わるけど深刻になりすぎず、やわらかく和む感じで伝わるので、子どもも落ち込まず聞き入れてくれたんです。
まさにオノマトペの魔法です!
だれが読んでも読み聞かせの天才になれる、オノマトペの絵本作りました!
ねんどくん、ねんどちゃんがおもしろおかしく動き回る様子を、オノマトペだけで表現するという画期的な絵本です。
この絵本には少しこだわった部分がありまして、それはオノマトペの文字です。
動きのニュアンスを細かく表現するために、文字の大きさ、色、形、数、端々の処理までこまかく調整しています。
文字が動きになっているので、その通り読むだけで抑揚が勝手につき、まるで読み聞かせのプロのように上手に読めます(笑)。
ぜひ「ねんどくん」をお子さんに読み聞かせをしてみてください。
文字のイメージを見ながら読むと子ども爆笑まちがいなしです!(笑)
うちの子も「ねんどくん」のオノマトペを通して音が動きとつながり、動きが言葉とつながり、言葉と文字がつながる、とだんだんと理解が広がっていきました。
お子さんの成長に「ねんどくん」が少しでも助けになれば、とってもうれしいです。