「公園で 兄弟走るよ 別方向」~犬山紙子撰★げんき子育て川柳~パート3

3000を超える力作が殺到! 秀逸な子育ての悲喜こもごもに共感の嵐!

木下 千寿

~犬山紙子撰★げんき子育て川柳~パート3

第1回げんき子育て川柳
日々、子育てに奮闘する中でさまざまなお悩みに直面しているパパ&ママ。

子育てにまつわる悲喜こもごもの感情を詠んだ“子育て川柳”を『おかあさんといっしょ』『いないいないばあっ!』『げんき』にて募集したところ、3000通以上の応募がありました。

テレビや雑誌などで広く活躍しつつ、5歳の娘さんの子育て真っ最中というイラストエッセイスト、コラムニストの犬山紙子さんを選者にお迎えし、届いた秀作の数々をご紹介していきます。

犬山さんは実は、人気番組「プレバト!」の俳句タイトル戦でも活躍されていますよ!
【犬山紙子Profile】

イラストエッセイスト、コラムニスト。2011年、マガジンハウスからブログ本を出版しデビュー。2014年に結婚、2017年に第一子となる女児を出産後は、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「こどものいのちはこどものもの」を立ち上げ、社会的養護を必要とするこどもたちへのクラウドファンディング「こどもギフト」メンバーとしても活動中。

子育て川柳テーマ⑨「#エンドレス」

「公園は 二軒三軒 ハシゴ気味」
犬山さん:子どもって、好きなことはどれだけ繰り返しても飽きないんですよね。ただ子どもがどれだけ滑り台が大好きでも、親は滑り台に楽しみをまったく見出せないという……(笑)。子どもが小さいと、「一人で滑っておいで」はできないし、子どもが階段を上るときには落ちやしないかとヒヤヒヤするし、すごく狭いのに一緒に滑らないといけなかったりして……。「公園は 二軒三軒 ハシゴ気味」(ペンネーム:もさし)も大変さが想像できて泣けます。
「好きな歌 母に歌えと エンドレス」
犬山さんウチの場合のエンドレスは、「好きな歌 母に歌えと エンドレス」(ペンネーム:みおママ)でしたね。娘が『鬼滅の刃』に夢中だったとき、LiSAさんの『紅蓮華』を延々と歌わされました。童謡じゃなく本格的な歌だから、歌うほうもけっこう大変で! 夫も保育園の送り迎えの自転車で、ずっと歌わされていたそうです(笑)。今は『ONE PIECE FILM RED』の主題歌、Adoさんの『新時代』がブームで、家では娘のその歌声がずっと響いています。
「姉が寝て 妹寝たとき 姉起きる」
きょうだい児がいる親御さんは、「姉が寝て 妹寝たとき 姉起きる」(ペンネーム:ずっきー)がいちばんつらいエンドレスなんじゃないかな。切実な叫びだと感じました。

子育て川柳テーマ⑩「#寝ない」

「暗闇で そんなに笑顔 見せないで」
犬山さん:寝かしつけも大変ですよね。私もまだ娘と一緒に寝ているんですけど、なかなか寝てくれなくて悩まされています。「暗闇で そんなに笑顔 見せないで」(ペンネーム:かめ)、これはかわいい! 複雑な気持ちのぜんぶ乗せという感じですね。
「暗闇で そんなに笑顔 見せないで」
「お散歩へ いけどもいけども 昼寝せず」
犬山さん:「お散歩へ いけどもいけども 昼寝せず」(ペンネーム:?)。そう、これは本当にナゾ! 「疲れさせたら寝る」と言われますけど、まったく寝なくてどうしたものかと思います。ガッツリ寝てくれるのは、水泳した後ぐらいかな。

子育て川柳テーマ⑪「#子どもの体力ヤバい」

「ハイハイに ついていけない 高齢で」
犬山さん:外遊びに行くと、子どもの体力の限界のなさ、そして自分の体力のなさに打ちのめされます。「ハイハイに ついていけない 高齢で」(ペンネーム:くう)は、お母さんの頑張りが伝わってきて、応援したくなりました。

子育て川柳テーマ⑫「#振り回し系」

犬山さん:子どもが生まれてからは、やっぱり子ども中心の生活に。子どもに悪意はないと分かっているけれど、こんなに思いどおりにならないものかと鍛えられました。
「ママトイレ さっきは出ないと 言ったよね」
「ママトイレ さっきは出ないと 言ったよね」
犬山さん:「ママトイレ さっきは出ないと 言ったよね」(ペンネーム:かんけん)「さぁいくぞ! ぷーんと臭う 遅刻だわ」(ペンネーム:みちぼ)の2句は、当時の記憶が蘇ります!! 「よし、準備万端!」と思った瞬間のこれはつらいですよ……。おむつしていれば、「おしっこならまぁいいや」と思いますが、うんちは臭いがするから履き替えないとどうしようもない。
「さぁいくぞ! ぷーんと臭う 遅刻だわ」
「公園で 兄弟走るよ 別方向」
犬山さん:それから「公園で 兄弟走るよ 別方向」(ペンネーム:CMCJ)は、笑いごとじゃないけど、画的には最高だなぁ。分身がほしいシチュエーションですよね。
「公園で 兄弟走るよ 別方向」

子育て川柳テーマ⑬「#遠慮なし」

「たのむから トイレのドアを あけないで」
犬山さん:「たのむから トイレのドアを あけないで」(ペンネーム:ぴーこ)は、ウチでは夫がやられていました。外側に開くドアだと、トイレしている人間は手が届かなくて閉められないんですよね。面白すぎて、私、その光景を写真に撮りました(笑)。娘が小さいころは目を離せなくて、ドアを開けっぱなしのままトイレしていたときもありましたね。最近、ようやくトイレがゆっくりできるようになって、めちゃくちゃ嬉しいです!
「寝苦しい 今日もお腹に 乗る頭」
犬山さん:「寝苦しい 今日もお腹に 乗る頭」(ペンネーム:トリイ)もあるなぁ。川の字に寝ていたはずが、いつのまにか私の脇腹にぐっさり子どもの頭が刺さるっていう……。「どういう寝相なんだ」とツッコミたくなります。
これからも、さまざまな切り口から犬山さんの心をつかんだ川柳をピックアップしていきます。
第4回の記事は2月13日アップ予定です。お楽しみに!
写真/岩田えり イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/木下千寿
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きのした ちず

木下 千寿

ライター

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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