友人で作曲家の堀井勝美さんから「ぱわわぷたいそう」を歌ってほしいとリクエストされて、「おかあさんといっしょ」にご縁ができました。そのあと堀井さんから、番組に楽曲提供してみないかという話をいただいて、大変光栄なことと思い、依頼をお受けしました。
最初の打ち合わせの前から、自分の足の下には強力なバネがついていて、辛いことがあっても、足の下のバネを信じていれば大丈夫、という漠然としたイメージがありました。
自分が子どものころから「しあわせは〜歩いてこない♪」でおなじみの「三百六十五歩のマーチ」が好きでたくさん元気をもらっていたので、マーチ、すなわち行進曲にしたいということを、スタッフさんにお話ししました。スタッフさんには賛同していただいて、できあがったのが「ぼよよん行進曲」です。
だいたい僕の場合は最初に曲をつくって、それに言葉を当てはめる曲づくりをしていたのですが、今回は子どもたちに向けた曲だから初めてのことにトライしてみようと考えました。それで以前、仕事でご一緒していた作詞家の田角有里さんと「せーの!」で曲と歌詞を同時につくってみることにしました。
Aメロってこんな感じだよね、じゃあBメロってこうだよね、そういう歌詞だとサビはこうだよねと、あっという間に、迷うことなくつるるんとできてしまった。思い返すと、奇跡のような時間だったと思います。
自分でもかなりの手応えを感じていたので、スタッフさんの反応を楽しみにしていたのですが、聞いてもらったところ、長くないですか、とお返事いただきまして。人の話をよく聞かない僕が悪いんですが、依頼された尺をかなりオーバーしていた。
幸い、1番を歌ったあとサビに飛べば尺におさまったので、ほっとしました。それからしばらくたって、別のスタッフの方にその経緯をお伝えしたら、ぜひスペシャルで歌わせてほしい、と言っていただいて、ロングバージョンの「ぼよよん行進曲」が世にでることになりました。
山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生ま...