CTスキャンで歴史が覆る!古生物学者が解き明かす新種アンモナイトの真実とは?

【ちょっとマニアな古生物のふしぎ】古生物学者・相場大佑先生が見つけた古生物のふしぎ (2/2) 1ページ目に戻る

古生物学者:相場 大佑

今回の研究で判明した新たな説

ヘテロカリネラは「一発屋」や何かの例外ではなく、実は絶滅したと考えられていた時代から1000万年後まで連続的に存在し続けていたのです。ツリリテス科はもともと世界各地に広く分布していましたが、新種ヘテロカリネラが生きていた時代には生息域がかなり狭くなってしまい、現在の北海道付近でのみ生き残っていたということがわかりました。
ツリリテス科の生息時代のこれまでの説と今回の研究成果による新説(ヘテロカリネラ以外の化石写真:Wright et al., 1996: Treatise on Invertebrate Paleontology, Part L, Mollusca 4 (Revised), vol. 4 https://doi.org/10.17161/dt.v0i0.5285 より引用)
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日本国内から見つかる白亜紀のアンモナイトには、かつては広く分布していたものの生き残りと思われるものが多いことが、これまでの研究で繰り返し述べられてきました。今回の新種ヘテロカリネラもその一員だったようです。理由はわかりませんが、白亜紀後期当時の日本付近はアンモナイトの「避難所」となっていたようです。
ちなみに、新種名のヘテロカリネラ・ジャポニカという名前の意味は、「キールがある日本の異常巻」というようなところです。

DNAなどが残っていない化石の分類は、形によって行われます。これまでの研究の多くでは、当然ながら外見がもっとも注目されてきました。しかし、今回の研究のように、殻の内部の作りを改めて調べて比べてみると、アンモナイトの進化の歴史が変わってしまうことがあるのです。

CTの結果を見て、新種の中身がツリリテス科と近いことがわかったときは長年の謎が一気に解けたような爽快感がありました。その発見の勢いで、1ヵ月ほどで論文を書き上げて、すぐに雑誌に投稿しました。CTを撮ってから論文になるまで半年くらいでした。今後もCTスキャンを活用して化石の中身も調べながらさまざまなアンモナイトの謎に挑戦していきたいと思います。
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引用部分を除く画像・文/相場大佑

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相場 大佑
あいば だいすけ

相場 大佑

Daisuke Aiba
古生物学者

深田地質研究所 主査研究員。1989年 東京都生まれ。2017年 横浜国立大学大学院博士課程修了、博士(学術)。三笠市立博物館 研究員を経て、2023年より現所属。専門は古生物学(特にアンモナイト)。北海道から見つかった白亜紀の異常巻きアンモナイトの新種を、これまでに3種発表したほか、アンモナイトの生物としての姿に迫るべく、性別や生活史などについても研究を進めている。 また、巡回展『ポケモン化石博物館』を企画し、総合監修を務める。

深田地質研究所 主査研究員。1989年 東京都生まれ。2017年 横浜国立大学大学院博士課程修了、博士(学術)。三笠市立博物館 研究員を経て、2023年より現所属。専門は古生物学(特にアンモナイト)。北海道から見つかった白亜紀の異常巻きアンモナイトの新種を、これまでに3種発表したほか、アンモナイトの生物としての姿に迫るべく、性別や生活史などについても研究を進めている。 また、巡回展『ポケモン化石博物館』を企画し、総合監修を務める。