
ヨモギに潜む虫の生態とは?アリを操るアブラムシの驚きの共生関係
【ちょっとマニアな生きもののふしぎ】昆虫研究家・伊藤弥寿彦先生が見つけた生きもののふしぎ
2026.06.03
昆虫研究家:伊藤 弥寿彦
郊外の小径を散歩していると足元にヨモギがたくさん生えていました。葉をちぎって指で揉むと独特の香りがします。草餅を作る時にお餅に練り込むキク科の植物ですね。ヨモギって結構いろいろな虫がついています。ちょっと足を止めて観察してみました。

キクスイカミキリ
途中からしんなりと折れ曲がっている茎がありました。これは以前、このコラムで紹介したことのある「キクスイカミキリ」がいるサインです。茎をかじって弱らせて、そこに卵を産みます。目をこらすと……いました! 一年ぶりのご対面です。
キクスイカミキリ
ヨモギハムシ
銅色の光沢のある甲虫が止まっていました。ヨモギの葉を食べるその名もズバリ「ヨモギハムシ」です。
ヨモギハムシ
銅色のものが多いけれど、ルリ色の個体を見ることもあります。
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ナナホシテントウ
目立つ甲虫がいました。「ナナホシテントウ」ですね。
ヨモギの上のナナホシテントウ成虫
幼虫もいます。
ナナホシテントウ幼虫
ナナホシテントウもヨモギの葉っぱを食べているのかな? ナナホシテントウをじっと見ていたら、モソモソと動き出しました。そしてなにやら探している様子です。
ナナホシテントウとアオヒメヒゲナガアブラムシ
ナナホシテントウは実は成虫も幼虫も肉食です。そう、大好物はアブラムシ。ヨモギの汁を吸って暮らしている「アオヒメヒゲナガアブラムシ」らしき種に襲いかかってムシャムシャと食べてしまいました。
アブラムシを襲うナナホシテントウ①
アブラムシを襲うナナホシテントウ②

ヨモギヒメヒゲナガアブラムシ
また別の場所にあったヨモギを見てみたら、先ほどナナホシテントウが襲っていたのとは違う種類のアブラムシがびっしりついていました。これは「ヨモギヒメヒゲナガアブラムシ」という種類のようです。
ヨモギヒメヒゲナガアブラムシ(多分)
灰色っぽいもの、オレンジ色のもの、はねがあるもの、ないものなどが混じっています。このアブラムシは同じ種類の中で色や姿に変化があるらしい。アブラムシの生活はとても複雑なのですが、基本的に「はねを持つ成虫」は、飛んで別の植物(ヨモギ)の株へ移動し、生活場所を広げます。一方「はねのない成虫」は、ほとんどはメスで、オスと交尾することなく、直接幼虫を産み落とし、どんどん増えて自分たちのコロニーを拡大します。














