「公共交通機関なし」の秘境にいた!日本でココだけ「ボルネオゾウ」と極レア動物の宝庫【福山市立動物園】

〈新連載〉ドリトル柴田の「動物園に行ってみた!」vol.4 (2/2) 1ページ目に戻る

科学ジャーナリスト:柴田 佳秀

極めつけはボルネオゾウ

福山市立動物園を訪れたら、絶対に会ってほしい動物がいますーーそれがボルネオゾウです。

日本ではここでしか見られない、非常に貴重なゾウで、東南アジアのボルネオ島に生息するアジアゾウの亜種です。野生個体の推定生息数はわずか1,000頭ほどとされ、絶滅危惧種に指定されています。

私もかつてボルネオ島を訪れたことがありますが、野生で姿を見る機会はありませんでした。今回、初めてその姿に出会えたことは、とても特別で忘れられない体験となりました。
初めて見たボルネオゾウのフクちゃん。
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ボルネオゾウがいるボルネオ島の自然破壊の現状を伝えるポスター。こういったことを伝えるのは動物園の重要な役割。

手作りの解説板は良い動物園の証

思いがけず貴重な動物に出会えた福山市立動物園。規模こそ小さいものの、その充実ぶりには驚かされました。
園内を歩いていて印象的だったのが、スタッフの手作りと思われる解説板があちこちにあったこと。これまで訪ねた動物園でも、こうした解説板が多い場所は例外なく魅力的で、スタッフの「もっと知ってほしい」という熱意が強く伝わってきます。

アクセスはやや不便かもしれませんが、一度は足を運ぶ価値あり。ゆったりと動物たちを観察できるのも魅力です。なお、園内には飲食店がありませんので、お食事はあらかじめご用意ください。(取材:2025年6月5日)
消防ホースの再利用していることを説明する解説板。これはいったい何だろうと不思議に思っていましたが、ようやくわかりました。
珍しい動物だけではなく、ヤギやウマといった家畜もいるので小さなお子様でも楽しめます。

写真・文/柴田 佳秀

▼これまでの動物園は「日立市かみね動物園」「のんほいパーク」「広島市安佐動物公園」
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しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。