地球にやさしいエネルギーって? さかなクン探究隊で【エネルギー研究の最前線】を学ぶ

MOVEラボ研究員助手のはるきが 第2回「やさしいエネルギーと使い方」をレポート!

世界初の急速充電対応型電池推進船「らいちょうⅠ」

らいちょうI(右)、らいちょうN(左)
平成22年、東京海洋大学は世界初の急速充電対応型電池推進船「らいちょうⅠ」を建造しました。

リチウム電池・推進モーターを動力とし、低騒音・低振動で、航行中に排気ガスや二酸化炭素を出さない、高出力かつ短時間の充電時間で可能といった特徴があります。「らいちょうⅠ」に続き、平成23年6月に世界初の急速充電対応型電池推進漁船「らいちょうS」を開発。

遠隔リモコンを利用し水中からの操船が可能で、GPSと連動した自動位置保全が設定可能となりました。ウォータージェット推進の採用で、水面付近にロープが張っているような海藻の養殖水域にも進水可能。船底に突出部分がなく、水深の浅い区域も運行できたり、海洋生物・珊瑚礁を傷つけることがないため、安全性が高く、航行水域の環境保全に大きな効果があるそうです。

さらに平成26年3月に、大型化・航続距離増加を目的に、ハイブリッド型電池推進船「らいちょうN」を建造。大洋・近海航海中は内燃機関を用いて走行し、リチウム電池への充電をし、港湾内では電子推進するハイブリッド型の特徴があります。
乗船体験!
探究隊のメンバーたちはいよいよ乗船。今回は、清水教授の操縦で「らいちょうⅠ」での周遊です。

僕は乗船可能人数の都合上、今回は陸で待つことになりました。中の様子や乗船している状態をレポートできず残念です。いつか機会があればぜひ乗ってみたいです。ちなみに「らいちょう」という名前は、一般公募で決まったそうです。

らいちょうは他の蒸気船などより圧倒的に音が少ないということです。静かに動く地球にやさしい船として、研究や開発が進められ、普及されるようになれば、騒音問題も解決できるようになるのではないかと思います。

探究隊員たちは、海洋大学キャンパスの係船場(ポンド)を出発し、隅田川から神田川をまわり、1時間少しして戻ってきました。

第2回を終えて、まとめの発表!

電池推進船での周遊から戻り、第2回のまとめ「隊員による今日のギョギョ! この日一日体験したこと、感動したこと、発見したこと、面白かったことをみんなの前で発表してみよう!」がありました。

探究隊のみんなは一人ずつ今日の講義や体験の感想を全員の前でしっかりと発表していました。

らいちょうの乗船体験の感想では、川を通り過ぎるほかの船とくらべて、らいちょうから出る音は圧倒的に小さかったなど、今日の講義に関する内容を理解して自分の意見として発表していました。清水教授からは川と海はつながっているので、海のことだけを考えるのではなく、川のことにももっと関心を持っていってほしいとのお話しがありました。
それぞれの発表を熱心に聞く隊員たち。緊張がとけ、徐々に仲が深まっているようです。
講義が始まった第2回も程よい緊張感のもと、みんな楽しんで取り組んでいました。

清水教授の講義は大学の授業を受けているようで、大学生になった気分で話を聞いていました。今、地球の環境が悪くなっている中、自分が生きているうちはまだ大丈夫だと思って生活している人がもしいるとするなら、講義の内容やこのレポートを通して、地球が限界に近くなっていることを知り、地球温暖化を自分のこととして考えてほしいと思いました。一人一人が少しのことからでも地球のことを考えて取り組んでいくことが大切だと思いました。

今日の講義でらいちょうという船を知り、環境にやさしいエネルギーについての知識が増えました。これからもさかなクン探究隊の1回1回の活動での経験を大切に自分でも活用できるようにしていきたいと思います。

また、教わったことは自分たちの世代、さらに小学生や小さい子どもたちにもつないでいく必要があります。今の自分たちのような若い世代が中心に地球環境のことを学び発信していくことが大切だと感じました。

次回さかなクン探究隊第3回は、2024年10月下旬予定。
由比ヶ浜で行われるビーチクリーンに参加します。海のプラゴミ、現在の海の状態、ビーチクリーンを通して環境保全の大切さを学び、地球環境について考えます。

また次回もレポートさせてもらいます。

取材・文/横井晴輝(MOVEラボ研究員助手)

さかなクンと11名のさかなクン探究隊のみんな
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