コンドルはなぜ、死肉を食べても食中毒にならないの?

コンドルの消化器官は、有害な細菌を死滅させる!?

コンドルは、動物の死体をおもな食べ物にしています。くさった肉には、炭疽菌(たんそきん)やクロストリジウム菌などの毒性の強い細菌がふくまれていることもあります。ほかの動物が、このような病原菌にさらされれば、病気になったり、ときには死んでしまうこともあるでしょう。

コンドルがくさった肉を食べてもへいきなわけは、数百万年の進化の過程で獲得した、特殊な消化器官にあるようです。コンドルの消化器官は、有害な細菌を死滅させ、残ったものとは共存できるというすぐれたものなのです。

デンマークとアメリカの研究チームは、クロコンドル26羽とヒメコンドル24羽の合計50羽を調査。その結果、コンドルの頭部には528種もの細菌がいた一方、腸内には、たった76種の細菌しか見つかりませんでした。

コンドルは、進化の結果、細菌を死滅させる強力な消化器官をもつ一方で、それでも殺せない致死性の細菌とは、共存できる耐性を獲得したと考えられています。

■関連:「鳥」69ページ