びっくり! 10ヶ月間もずっと飛び続ける鳥がいた!
2021.12.13
空中生活ができちゃう鳥って?
スウェーデン・ルンド大学の研究チームは、2013年と2014年にヨーロッパアマツバメという小型の渡り鳥に、その鳥がいた位置や飛行状態を記録するデータロガーと呼ばれる超小型記録装置を取りつけ、放しました。そして、2014年に11羽、2015年に8羽のデータロガーをつけた鳥をふたたび捕まえることに成功し、そのうち5羽からは2年間分のデータを得ることができました。
どの鳥も8月はじめには繁殖地のスウェーデンから南に向かって飛び立ち、西アフリカや中央アフリカで冬を過ごしていることがわかりました。そして、翌年の6月には繁殖地のスウェーデンに帰って来ていました。おどろいたことにその間の10ヶ月間は、ほとんどどこにも降りることなく、ずっと飛び続けていたのです。これまでの鳥が飛び続けた最長記録はシロハラアマツバメの7ヶ月間でしたが、今回の記録はそれをさらに3ヶ月も上回る結果となったのです。
ヨーロッパアマツバメは、エサをとるのはもちろん、巣材を集めるのも、交尾をするのも飛びながら行うほど、空中生活に適した体つきをしている鳥です。そのため、非繁殖期もほとんど飛んでいるだろうという仮説がありました。今回の研究はその仮説が正しかったことを示しています。
どうしてこんなにずっと飛び続けても疲れないのか、飛びながら寝ているのかなど、まだまだわからないことはたくさんあります。しかし、今、データロガーはどんどん小型になり、さらに機械を回収しなくてもデータが自動的に送られる仕組みが開発されてきているので、鳥たちの驚異的な暮らしぶりがますます明らかになることでしょう。