ツルは千年生きるってほんと?【ツルの本当の寿命】を専門家が解説!

【ちょっとマニアな生きもののふしぎ】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

サイエンスライター:柴田 佳秀

ツルの寿命は何年?

特別天然記念物のタンチョウ
「寿命はどのくらいですか?」

これ、本当によく聞かれる質問です。その生きものが何歳まで生きるか、とても気になりますね。

じつは、この質問に正確に答えるのはかなり難しいのです。まず、野生の生きものは、ふつう誕生日がわかりませんから、何歳かわかりません。また、多くの生きものは、食べられるなどの事故で死んでしまうことがほとんどなので、天寿をまっとうしたかどうかを知るのは非常に困難なことなのです。

現在のところの最高齢は61歳!

では、今回のタイトルであるツルの寿命はどのくらいでしょう。ただ、ツルといってもいろんな種がいるので、
ツルのなかのツル、タンチョウを見てみると、上野と多摩の動物園で飼育されていた鳥が36年間生きた記録があります。また、海外の動物園で飼われていたソデグロヅルは、61年9ヶ月という記録があるそうです。さすがに1000年は無理だとしても、ツルはけっこう長生きする生きものだということがわかりますね。

じつは、野生のツルでも年齢が判明している鳥がいます。それは北海道にすむタンチョウで、研究者が捕まえて足に番号が書かれているリングをつけて放された個体がいるのです。そのなかには2020年時点で、29年間生きているタンチョウが2羽いることがわかっています。タンチョウくらいの大きさになると天敵があまりいないので、電線にぶつかるなどの事故さえなければ、飼育と同じくらい長生きできるのかもしれません。

ちなみに、鳥は生きもののなかでも長生きするほうなのですが、これまでの長寿記録は、ギネス記録にもなっているオウムのなかまのクルマサカオウムで、なんと83年間も動物園で飼育されていたんだそうです。

オウムやインコは、鳥の中でもずば抜けて長生きな生きもので、非公式だと100歳をこえているのもいるのだとか。いやはやビックリです。
写真提供/柴田佳秀

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ツルのなかまが掲載されているMOVE

しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。