日本の国鳥 キジのメスは派手好き!? オスがど派手になった理由とは?
【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ
2023.11.17
サイエンスライター:柴田 佳秀
日本の国鳥は、桃太郎にも登場するキジ!
1947年(昭和22年)に日本鳥学会でヤマドリやヒバリなどの候補をおさえて国鳥に選定されました。日本の固有亜種であること、人里近くにいて馴染み深いこと、オスは勇敢でメスは母性愛が強いことが選定の理由だそうです。
キジってどんな鳥?
キジのメスは“ど派手”がお好き!?
それはメスが派手好みだから。メスの好き嫌いがこんな美しいキジのオスを作り上げたのです。では、どうしてメスは派手好みなんでしょうか。それは息子が結婚できるからです。美しいオスはメスにモテますね。その遺伝子が自分の息子に受け継がれれば、息子も美しくなってモテるはずです。
そうすればお母さんの遺伝子も子孫に受け継がれていく。それを期待してメスは派手なオスを結婚相手として選びたいのです。それを繰り返して行くうちに、今のような美しいキジのオスができあがったというわけです。
春には、キジの声をよく聞きます。田畑が広がる郊外では、あちこちで独特な「ケンケーン」という声が聞こえるでしょう。そのときは声がする方を注目してみてください。きっとど派手なオスが胸を張って歩いていると思います。
柴田 佳秀
元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。
元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。