日本の国鳥 キジのメスは派手好き!? オスがど派手になった理由とは?

【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

サイエンスライター:柴田 佳秀

日本の国鳥は、桃太郎にも登場するキジ!

オス
読者の皆様は、日本の国の鳥が何かご存知でしょうか? 優雅なツルでしょうか。それともかっこいいワシでしょうか。正解はキジ。昔話の桃太郎に家来として登場するあの鳥です。

1947年(昭和22年)に日本鳥学会でヤマドリやヒバリなどの候補をおさえて国鳥に選定されました。日本の固有亜種であること、人里近くにいて馴染み深いこと、オスは勇敢でメスは母性愛が強いことが選定の理由だそうです。

キジってどんな鳥?

さて、そのキジですが、オスは尾羽がとても長く、全長は81cmもある大きな鳥です。メスも尾羽が長いのですが、オスよりも短いので全長は58cmほどと小柄です。北海道と沖縄を除く日本全国に分布し、農耕地や河川敷などの草がはえる環境に生息しています。草の葉や種、昆虫が主な食べもので、渡りをする習性はなく、一年中同じ場所で暮らしています。
ハデなオス

キジのメスは“ど派手”がお好き!?

写真を見るとわかりますが、オスはとにかくど派手。真っ赤な顔にメタリックグリーンのボディは、日本有数のきらびやかな鳥です。いっぽうメスは枯れ草色の地味な色をしています。では、どうしてオスはこんな派手な色をしているのでしょうか?

それはメスが派手好みだから。メスの好き嫌いがこんな美しいキジのオスを作り上げたのです。では、どうしてメスは派手好みなんでしょうか。それは息子が結婚できるからです。美しいオスはメスにモテますね。その遺伝子が自分の息子に受け継がれれば、息子も美しくなってモテるはずです。

そうすればお母さんの遺伝子も子孫に受け継がれていく。それを期待してメスは派手なオスを結婚相手として選びたいのです。それを繰り返して行くうちに、今のような美しいキジのオスができあがったというわけです。
メス
ただ、これは仮説であり、他にもさまざまな要因があってオスが美しくなり、メスが地味になったのは間違いないでしょう。自然はとても複雑なので、いろいろなことが絡み合ってできあがっています。

春には、キジの声をよく聞きます。田畑が広がる郊外では、あちこちで独特な「ケンケーン」という声が聞こえるでしょう。そのときは声がする方を注目してみてください。きっとど派手なオスが胸を張って歩いていると思います。
写真提供/柴田佳秀
しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。