大昔にたくさんいた大きなゾウが大幅に数を減らしてしまった理由とは?

【MOVE生きもの相談室】子どもたちから集まった生きものにまつわる質問に答えます!

「昔はたくさんいたゾウの仲間が、今は少しの種類しかいないのはなぜですか? こんなに大きい生きものが生き残れなかったわけが知りたいです」(そういちろう・小学2年)

答えてくれたのは…

木村由莉/きむらゆり
古生物学者。国立科学博物館地学研究部研究主幹。子どものころから恐竜が大好きで、現在はネズミなどの陸生ほ乳類化石の研究をしています。
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回答:人間が大きく関わっていた可能性があります

MOVE「大むかしの生きもの」より
ゾウの仲間は昔は本当にたくさんいて、日本で見つかっているナウマンゾウ、ミエゾウ、ステゴロホドン、マンモス、ゴンフォテリウムが、この2000万年の間に生きていたのです。日本だけでもたくさんのゾウがいたので、世界中で考えると、ゾウはかなりの多様性があったと思います。

大きいゾウが生き残れなかったわけですが、マンモスはかなり研究が進んでいます。マンモスは新しい時代の生きものなので、正確に年代を測ることもできます。放射性炭素同位体年代というのを使うのですが、太陽光によって中に入っている不安定な放射性炭素が安定な窒素に戻る現象を使って年代を測定できます。

その結果、生きていた年代がわかり、狩りをしていることもわかった。いつ大型の動物がいなくなって、ヒトがやってきたかのタイミングや、アメリカ大陸に渡ったヒトと大型の動物が絶滅したタイミングを調べることで、人間が絶滅に関わっていたかがわかったのです。

ケサイはあまり関わっていなかったことが分かり、ゾウやその他の大型ほ乳類は、ほぼすべての大陸で人間が絶滅に大きく関わっていたとわかりました。ゾウがいたところに人間が狩りをして絶滅に追い込んでしまったのです。あとはマンモスは体格が大きく、長い毛が生えていて温度が上がってしまうと暮らせないことも、絶滅のひとつの原因だったと考えられています。

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