あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「3月19日」(2005年)。
溝呂木真也=ダークメフィストとの最後の戦いが始まった。溝呂木は、姫矢 准の元職場の先輩記者である佐久田 恵を人質にとり、フィンディッシュタイプビースト クトゥーラの能力で、特殊な空間「異形の海」にネクサスを誘き寄せる。一方、ナイトレイダーも、溝呂木がわざと残した暗号を解読し、異形の海に突入。しかし、そこにいたのは、意識を失い、縛りつけにされたネクサスだった。
姫矢がネクサスの光の意味を知る
そして、溝呂木は闇の波動で、磔にされているネクサスに蔦を張り巡らせていく。溝呂木の目的は、姫矢の命を奪い、ネクサスの光を自分のものにすることで、より巨大な力を得ることだったのだ。一方、姫矢は精神世界で、戦争に巻き込まれ目の前で死んでしまった少女・セラと出会う。
人が生きる姿を写真に収めたかった姫矢。しかし、戦場カメラマンとして撮影した姫矢の写真は、死の瞬間を収めたものだった。そんななか、ネクサスの力を得た姫矢は、「力を与えられたのは、人が死ぬ写真を撮影してきた自分への罰だ」と考え、その身を犠牲にして戦い続けてきたのだ。
しかし、セラは言う。「准、その力は、罰なんかじゃない」
ネクサスの光は、長い時間をかけて人々から受け継がれてきた。姫矢はその継承者に選ばれたのだという。そして、自分が生きた証を写真に撮ってくれたことがうれしかったと伝えると、セラは姿を消したのだった。