『ウルトラマンA』は新趣向が山盛りになった野心作!

『講談社MOOK ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』よりぬきコラム【第5回】

テレビマガジン編集部

きら星のごとく輝く傑作ぞろいのウルトラマンシリーズの誕生の秘密を解き明かすムック『ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』から、テレビシリーズ1作品ずつその魅力をお伝えしましょう。

今回は男女合体変身、怪獣に替わる超獣の出現、レギュラー敵役ヤプールの登場と、新趣向が盛りだくさんの『ウルトラマンA』(1972年)です。
デザインの幅が広がった超獣には、今までにない生物兵器感が!  ©円谷プロ PHOTO/講談社

空を割って超獣が出現するインパクト!

男性である北斗星司の勇気と、女性である南 夕子の優しさが1つになって誕生するという画期的な発想で生まれたのが、ウルトラマンAでした。

そして、異次元から地球を狙う(空を「割って」超獣が出現するというわかりやすさ!)異次元人ヤプールは、人間の心の弱さを狙う物語前半のレギュラーヴィランで、正体を謎に包んだまま、さまざまな作戦を遂行したものの一敗地にまみれました。

しかしそのヤプールが送り込む超獣も、ただ「怪獣より強いから超獣」というのではなく、サンゴと宇宙生物が融合したミサイル超獣ベロクロン、イモムシと宇宙生物が融合した一角超獣バキシムというように、自らが超獣製造機で作りだした生物超兵器で、いわば侵略に特化していたため、折り紙付きの強さを持っていたのです。

それに人類が超獣に対抗するために作られた防衛チームであるTAC〈タック〉は、全長210mの大型戦闘機タックファルコンをはじめとする超戦力を武器に戦いました。

ウルトラ兄弟が、ウルトラの父がやってきた!

ウルトラ兄弟の登場は、視聴者へのビッグプレゼントになりました。  ©円谷プロ PHOTO/講談社
物語後半ではヤプール以外の侵略者が超獣を引き連れて現れたり、夕子が月世界の仲間と旅立ってしまったりと苦難に見舞われるウルトラマンAですが、『ウルトラマンA』全体を通して最大のイベントといえば、ウルトラの父の登場でしょう。

地獄星人ヒッポリト星人のヒッポリトタールで固められてしまったウルトラ5兄弟(ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ジャック、A)のピンチを救うために現れたウルトラの父ですが、なんと長旅の疲れにより敗北してしまい、自分のパワーをウルトラマンAに与えて力尽きてしまうのです。

もちろんウルトラの父はのちにサンタクロースに扮して復活した姿を見せるのですが、ウルトラ5兄弟を苦しめた強敵を自ら倒すのではなく、勝負をウルトラマンAに託するという行動は、逆にウルトラの父の名を高める役割を果たしたのかもしれません。

『Qからシン・マンまで』でウルトラマンシリーズ史をチェック

『講談社MOOK ULTRAMAN HYSTORICA ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』では、『ウルトラQ』から『ウルトラマントリガー』までのウルトラマンシリーズと、『シン・ウルトラマン』を深掘りすることで、ウルトラマンシリーズの歴史を追った一冊です。

ウルトラマンシリーズを観るときのお供として、ウルトラヒストリーを振りかえるテキストとして、ぜひチェックしてみてください。
『講談社MOOK ULTRAMAN HYSTORICA ウルトラQからシン・ウルトラマンまで』(税込定価:1980円)発売中!

ウルトラサブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」は『ウルトラマンA』をはじめ、ウルトラマンシリーズが見放題になる動画配信サービスです。

てれびまがじんへんしゅうぶ

テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga