動物の親子は、なぜ見た目が違う?

聞いて納得。旭山動物園園長が教えてくれる、親子で知りたい3つの理由!

テレビマガジン編集部




アメリカバイソン
アメリカバイソン Photo by Aflo
バイソンは野生の牛の仲間。アメリカバイソンは北アメリカ大陸最大の動物で、米国の国獣です。赤ちゃんは体長90cm、体重20kgで中型犬くらいのサイズですが、おとなになると体長3m、体重600kg〜1000kgに。1000kgといえば1トン! しかも頭が巨大になり、角が生え、肩が盛り上がります。
 
バイソンがこんなに大きくなるのは、食べ物のせいです。バイソンは草食動物でハーブなどの草を大量に食べるのですが、植物は消化に時間がかかるので、大きな胃と長い腸が必要です。そのためバイソンの胃は4つ、腸は50mもあります。大きな胃と長い腸を収めるために大きなからだをしているのです。

「バイソンの赤ちゃんは親と比べるとずいぶん大きさが違いますが、生まれて1時間もたたずに走れるようになります。敵から身を守るためには1分でも早く動き回れるようになる必要があるのです」(坂東園長)

バイソンの赤ちゃんは早く大きくなって、早く走り回れるようにならなくてはいけません。

寒いところにすむ動物は大きい

バイソンは草をたくさん食べるのでからだが大きいのですが、動物はすむ場所によっても大きさが変わります。

たとえば、クマの仲間で最大級のヒグマ。生まれたばかりの赤ちゃんは400gですが、おとなは500kg。ヒグマが大きいのは寒いところにすんでいるからです。動物は体温が上がりすぎたり下がりすぎたりすると死んでしまいます。なので、寒い土地にすむヒグマは熱をたくさんつくらなくてはいけません。動物はからだが大きく体重が重いほうがたくさん熱をつくれます。ヒグマは熱をたくさんつくるために、からだが大きく重くなったのです。

そのため、クマの仲間でも熱帯にすむマレーグマは小さく、北極にすむホッキョクグマはヒグマより大型です。クマは「環境に適応するため」に大きさが変わります。
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