祝20周年! ギーツ冬映画にも登場する仮面ライダー龍騎の魅力を振り返る

仮面ライダーの常識を壊し、シリーズの表現の幅を広げた異色の作品

テレビマガジン編集部

2022年12月23日(金)より絶賛上映中の『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』。現行の『仮面ライダーギーツ』と前作の『仮面ライダーリバイス』が共闘する本作に、『仮面ライダー龍騎』に登場した仮面ライダー龍騎、仮面ライダーナイト、仮面ライダー王蛇、仮面ライダーリュウガがオリジナルキャストとともに参戦します。

今回は、今年2022年に20周年を迎え、『仮面ライダーシリーズ』の中でもとくにエポックメイキングな作品であった『仮面ライダー龍騎』の魅力を振り返ってみようと思います。

仮面ライダー龍騎とは?

何人もの仮面ライダーが登場しては敗北していったが、龍騎(中央)、ナイト(右)ゾルダ(左)、中盤に登場した王蛇の4人が、ストーリーに深く関わるレギュラーキャラクターだった  ©️石森プロ・東映 PHOTO/講談社
『仮面ライダー龍騎』は、2002年2月3日より放送が開始された、平成仮面ライダー第3作(ただし、当時は「平成仮面ライダー」という名称は公式には使われていませんでした)。

主人公の城戸真司は、ある日鏡の中にひそんで人を襲う「ミラーモンスター」の存在を知ります。真司は人々を守るため、ミラーモンスター・ドラグレッダーと契約。仮面ライダー龍騎となりました。しかし、他の仮面ライダーたちの目的は、互いに戦い合い、最後のひとりになることで自分の望みをかなえることだったのです。

最大の特徴は、「仮面ライダー」という絶対的なヒーローが複数人登場すること、仮面ライダー同士がバトルロイヤルを繰り広げるという点でした。

また、上記の特徴に加えて「モンスターと契約している」、「アドベントカードを使用し、武器を召喚したり、技を使う」といったこれまでの仮面ライダー像にはない要素がありながら、一方で前作の『仮面ライダーアギト』や前々作の『仮面ライダークウガ』が作中で使用していなかった、「仮面ライダー」というワードが本編内で使用されているのもポイントです。

また、演出面では、『龍騎』以降で当たり前のように使用され、いまや仮面ライダーの大きな特徴のひとつとなっている、変身アイテムや武器から流れる「セリフ」(電子音声)も挙げられます。『龍騎』のライダーは、アドベントカードを読み込むための「バイザー」をそれぞれ装備しており、カードを装填することで「○○ベント」というセリフが流れます。

このセリフ自体は、仮面ライダーシリーズにおいては『アギト』の仮面ライダーG3-Xが使用するGX-05 ケルベロスが初めてのものになりますが、作中で登場する全仮面ライダー共通のものとして使用されたのは『龍騎』が初なのです。

個性豊かなキャラクター

仮面ライダー同士の戦いは、ゲームのようなものではなく、敗者は命を落とします。真司は、自分が手にいれた力をミラーモンスターから人々を守るために使うべきだと考え、「殺し合い」ともいえるライダー同士の戦いを止めるために奔走していきます。

しかし、仮面ライダーナイト=秋山 蓮は、昏睡状態になっている恋人を救うため、仮面ライダーゾルダ=北岡秀一は、不治の病を治すため、劇場版で登場した初の女性仮面ライダー・仮面ライダーファム=霧島美穂は冷凍保存されている姉を生きかえらせるためというように、それぞれに抱えている切実な願いを叶えるため、戦いに身を投じていたのでした。

一方で、「ただ暴れたい」という願望を持つ、犯罪者の仮面ライダー王蛇=浅倉 威や、「英雄になりたい」という願望を持ち、浅倉とは違った狂気を帯びた仮面ライダータイガ=東條 悟なども登場。真司は、他のライダーやモンスターとの戦いを経て、苦悩しながらも最終的には自分なりの「仮面ライダーとしての願い」を見つけたのでした。
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