劇場版とテレビスペシャル、そして小説
平成仮面ライダー初の劇場版である『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』は、アギトではなくG3-Xが実質的な主役。さらに、劇場版限定ライダーとして登場する仮面ライダーG4がなんと敵(悪ではない)でした。今では悪の仮面ライダーは多く存在しますが、当時は仮面ライダーが敵として登場することに、視聴者は衝撃を受けました。
『龍騎』の次回作である『仮面ライダー555』の劇場版『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』は、主要キャラクターや仮面ライダー、怪人のオルフェノクといった基本設定はそのままに、人類とオルフェノクの数が逆転しているパラレルワールドを描く作品でした。
『仮面ライダー剣』の劇場版『劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE』は、「主人公たちが戦いを終えた4年後」を描く物語。実際は、テレビシリーズと映画は繋がりませんでしたが、放送中の作品の結末の、さらに先を描くという興味深いものでした。
そして、『仮面ライダー龍騎』の劇場版『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』は、その名のとおり「最終回を先行映画化」というプロモーションが打たれ、仮面ライダー同士のバトルという、誰もが気になる物語の結末を先に映画で描くという衝撃の内容でした。こちらも、結果的にはテレビシリーズと直接つながることはなく、別の世界線の出来事となっています。
こちらも、主要キャラクターはテレビシリーズと同じだったもののそれとは切り離された別の物語となっており、真司がカードデッキを手にし、龍騎になってから戦いの結末までを約45分で描いています。
この作品は、番組冒頭に「戦いを止める」、「戦いをつづける」というふたつの結末が用意されていることが告知され、放送中に行われた視聴者からの投票で放送される結末が決定するという試みが行われました。放送当時に制作された作品では、本作にしか登場しないライダーも参戦し、『龍騎』シリーズに登場する仮面ライダー13人が総登場するのは本作だけでした。
その後も、2019年に『仮面ライダージオウ』のスピンオフ作品として配信された『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』が制作されていますが、もう1本、龍騎の物語を描いた作品があります。
それが、『小説 仮面ライダー龍騎』です。講談社キャラクター文庫から発売されている『小説 仮面ライダー』シリーズは、作品によって本編の続編や外伝を描く作品もあれば、完全なオリジナルストーリーの作品もあり、『小説 仮面ライダー龍騎』は後者となっています。設定には若干の変更が加えられ、カードデッキではなく各ライダーのエンブレムで変身したり、ミラーワールド外での戦いは禁止されているといったルールも設けられています。
著者は、『龍騎』テレビシリーズ全50話中14話を執筆し、劇場版やテレビスペシャルも担当した井上敏樹氏。本編では描かれなかった、真司や蓮の幼少期の様子が描写されていたり、浅倉の境遇の描写がハードだったり、テレビや映画とは異なる点が多々あるのもポイントです。
まだ読んでいない人は、『仮面ライダー龍騎』20周年を祝う最後の冬に『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』と合わせてぜひ読んでみてください。
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga