産後すぐ始められる体型戻し! 肩こり改善と骨盤を意識する正しい座り方

マドレボニータが教える 産前・産後ケア【カラダケア編】  

ライター:沖田 沙羅

マドレボニータでのレッスンの様子。バランスボールは産後の体に負担をかけずにケアができるおすすめのアイテム。
すべての画像を見る(全5枚)
産後の体はボロボロ。肩、背中、腰など痛みのオンパレードですよね。そんな産後に大切なのが骨盤や、お腹周り、腹直筋のケア。しかし、産後にいきなりトレーニングをするのは良くありません。出産直後はしっかりと休養をとって、適切な時期にケアを始めましょう。

適切な時期や、おすすめのエクササイズを、産前・産後ケアのプロ『マドレボニータ』の山本裕子さんに伺いました! 

2カ月経ったらリハビリ期

産褥期を終え、産後2カ月から産後210日までの期間を、マドレボニータでは「リハビリ期」と呼んでいるそうです。この期間は、産後ケアを始めるのに最も適切な時期! ですが、産後何年経っていても、いくつになっていても体は改善できます。もちろん、産褥期からできるケアも。

今回は、そんな産褥期からできるケアと、寝たままできる肩こりケア、授乳しながら筋トレできる快適な座り方を教えていただきました。

産後すぐできる セルフケア

①うつ伏せ産褥体操
出産後、一眠りしてすぐできるのが産褥体操。体操といっても、うつ伏せになって脚の角度を筋肉で調節するだけととっても簡単。
産後すぐにできるセルフケア。一年ぶりのうつ伏せがとても気持ちいいケアです。
①手を重ねて額の下に置き、うつ伏せになります。

②お尻の筋肉を使い、ももの内側を床につけるような感覚で、太ももをつけ根から外側にひねりましょう。

③2を行ったまま膝をまっすぐに伸ばします。お尻や太ももの筋肉で、ヒップラインをきゅっと引き締めた状態でキープしましょう。

④最後に仰向けになり、思い切り伸びをします。

この体操をすると、開いた骨盤をあるべき形に戻し、その状態を自分の筋肉で支えられるようになります。また、後陣痛を和らげる効果もあるので、分娩翌日を目安に始めるのがおすすめです。
②寝たままできる肩こりケア

横になったまま肩と背中をほぐすケア。肩こりの改善だけでなく、乳腺の詰まり予防、おっぱいの流れを良くして質の良い母乳を作る効果もあります。
産後の抱っこや授乳で凝り固まった肩に嬉しいケア。おっぱいの流れも良くなるので、おっぱいが痛い時にも効果的。
①横向きに寝て、上の足は前に出し90度に曲げます。

②ひじを曲げ、ひじで大きく円を描くようにして腕を回しましょう。

③肩や背中がほぐれるまで続け、反対側も同様に回してください。

腕を回すときは、肩をすくめず後ろにもしっかり引いて肩甲骨を動かすことがポイント。肩や背中の筋肉を解して、凝りを取り、楽にしてくれます。
③たるんだお腹を改善!腹筋を使った座り方

産後にお腹がたるむのは、お腹の力が入りにくから。腹筋が弱いと、骨盤が後ろに倒れ、お腹の脂肪が余ってしまうそうです。この座り方を維持すれば、日常的に腹筋を鍛える事ができます。
一日で座っている時間はとても多いはず。椅子でも床でも正しく座るだけで腹筋を鍛えられます。
床に座る場合はあぐらで座りましょう。横座りは、背骨や骨盤がゆがんでしまうのでNG。

①写真のようにアゴは引かずに首は常にまっすぐにしてください。

②肩を下げてリラックスしたまま、腹筋で姿勢を支えます。仙骨が床と垂直、骨盤も左右対称になるように心がけましょう。

※会陰切開の痛みがある場合は、円座クッションを使って椅子に座りましょう。上半身の姿勢のポイントは上と同じです。

この座り方をするだけで、お腹を筋肉で支えられるようになり、内臓はあるべき位置に納まります。「マドレボニータ」も、産後ケアで一番最初に教えるのがこの座り方だそうです。

授乳中・寝かしつけ中にできる呼吸法

産後に呼吸が浅くなるのは、猫背のせい。腹筋を鍛えることで、筋肉で体を支える事ができるようになる為、猫背の改善になります。

上で紹介した座り方で背筋を伸ばし、腹筋を鍛えながら授乳するのもおすすめ。立ったり横になっている場合は、腹筋を使った呼吸法をしてみましょう。
腹筋を鍛える呼吸法

・腹筋を使って風船を膨らますように息を吐きます。

・次に、腹筋を使ってお腹を凹ますようにして息を吸いましょう。
授乳中や、寝かしつけ中などにもできるので是非やってみてくださいね。

「マドレボニータ」が バランスボールを使う理由

「マドレボニータ」では、産後のケアにバランスボールを使用しています。元々バランスボールは戦後に兵士たちが使う医療グッズだったそうです。その為、産後グラグラの股関節にも負担をかけず、座るだけでも体感にアプローチができます。

何より赤ちゃんを抱っこしながらケアできるのも嬉しいポイント。ボールで一緒に弾んでいたら、いつも泣いている子が泣き止んだ、うんちの出にくい子のうんちが出た! など赤ちゃんにとって良いこともあるそうです。母子ともに楽しめるバランスボールケア教室が気になる方は、是非「マドレボニータ」のHPをチェックしてみてください。

このように、産後すぐからできるケアはたくさんあります。自分にあったケアを探して、産後の体型戻しを始めてみてくださいね!
この記事の画像をもっと見る(全5枚)
おきた さら

沖田 沙羅

Sara Okita
ライター

1990年東京生まれ。講談社の幼児雑誌「おともだち」などから出版される書籍の編集・ライティングを担当。SNS用の広告や書籍のレイアウトデザインなども行う。イラスト制作や写真撮影が趣味。現在一児の母として育児に奮闘中。 Instagram

1990年東京生まれ。講談社の幼児雑誌「おともだち」などから出版される書籍の編集・ライティングを担当。SNS用の広告や書籍のレイアウトデザインなども行う。イラスト制作や写真撮影が趣味。現在一児の母として育児に奮闘中。 Instagram

やまもと ひろこ

山本 裕子

Yamamoto hiroko
認定NPO法人マドレボニータ 共同代表理事長

大学卒業後、ホテル勤務を経て結婚。'05年に第1子を出産し、産後の心身の辛さと社会からの孤立感を強く感じる。'10年認定インストラクターに。'13年には第2子を出産し、心身の健康と育児の本当の楽しさを実感。教室OGの母たちと「マドレボニータ東海TOMOS」を立ち上げ、東海地方での産後ケアの普及活動に注力。'20年12月、創始者吉岡マコの後を継ぎ共同代表理事に就任。岐阜市在住。現在、高1と小2の2児の母。Mr.Childrenの大ファン。 マドレボニータ

大学卒業後、ホテル勤務を経て結婚。'05年に第1子を出産し、産後の心身の辛さと社会からの孤立感を強く感じる。'10年認定インストラクターに。'13年には第2子を出産し、心身の健康と育児の本当の楽しさを実感。教室OGの母たちと「マドレボニータ東海TOMOS」を立ち上げ、東海地方での産後ケアの普及活動に注力。'20年12月、創始者吉岡マコの後を継ぎ共同代表理事に就任。岐阜市在住。現在、高1と小2の2児の母。Mr.Childrenの大ファン。 マドレボニータ