ーーののちゃんの歌唱力の秘密について知りたいのですが、普段、歌はどれくらい練習をしているのですか?
みなさんによく聞かれるんですが、歌の練習は特にしていないんです。音楽に触れるのは、家や車で音楽を聴いたり、私の前の職業柄、生活のなかで問いかけが歌になったりしています。「手を洗いましょう〜♪」と一緒に歌ったり。耳にする歌の中から、乃々佳が好きな歌を、自由に歌っているという感じです。
私よりも乃々佳のほうが歌い上げることにこだわりがあって、歌詞やテンポが間違ってしまうと「もう一回!」と自分からリクエストします。収録などで私たちがよかったと思うときも、スタッフさんに仕切り直しをお願いしていて、さすがにちょっとびっくりしますね(笑)。
ーー自分から仕切り直し! 本当に上手に歌いたい気持ちが強いんですね。練習ゼロとは驚きなのですが、お母さんがののちゃんの歌に関して、助言や注意をすることはあるんですか?
本人がこだわってやっていることなので、歌に関して注意することはありません。ただ乃々佳が満足して歌えるためのサポートはしています。
たとえばバラエティや歌番組の収録では、コンクールに出場したときと同じように、どんなところに行きどんなことをするのか、伝えるようにしています。意味がわかった方が楽しんでできるし、歌うときも集中できて、感情をのせやすいみたいです。
あとは歌詞や歌の世界観がわからないときも、フォローしています。あいみょんさんの「裸の心」は失恋の歌ですが、まだ失恋がわからないので、「お母さんと離ればなれになっちゃう。大好きなのに寂しいね。一人ぼっちなんだね」と乃々佳がわかる場面に変えて説明しています。
乃々佳のなかで歌は、絵本と同じ”物語”。ストーリーの意味を理解すると、歌詞もすんなりと覚えられるみたいです。
山口 真央
1986年東京生まれ。編集者・ライター。幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」の編集や、キ...