バレンタインに贈りたい“チョコレートの絵本”3選[絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #10~チョコレートの絵本~ (3/4) 1ページ目に戻る

絵本コーディネーター:東條 知美

プレゼントしようと思ったのに……食べちゃった!

次にご紹介するのは『こねこのチョコレート』(こぐま社)。

原作は1964年にイギリスで出版された短編集の中の一話で、2004年に日本で画家・大社玲子(おおこそ・れいこ)さんの絵と小林いづみさんの訳により絵本化されました。

『こねこのチョコレート』(作:B・K・ウィルソン、絵:大社玲子、訳:小林いづみ/こぐま社)
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主人公は、4歳の女の子・ジェニー。明日3歳になる弟・クリストファーの誕生日プレゼントを買いに、お母さんと街へ出かけるところから始まります。

まずは、おもちゃ屋さんを訪れたふたり。“誕生日にこんなプレゼントをもらえたらうれしいな”と、子どもたちが目を輝かせるようなおもちゃがたくさん描かれています。

誕生日のワクワクにも想いが広がるようなシーンです。お母さんは、ヘリコプターのおもちゃを買いました。

次はジェニーの番。お菓子屋さんに向かうと、ここにも子どもを魅了するカラフルな包みやかわいいチョコがいっぱい! ジェニーは悩んだ末、8個入りのこねこのチョコレートを自分のおこづかいで買いました。

なぜ、こねこを選んだのか、注意深く見てみると絵本のあちこちにヒントが隠れていますよ。

家に帰ると、ジェニーはチョコレートの箱を自分の部屋のたんすの中に隠しました。さあ、夜です。ジェニーはベッドに入りますが、チョコレートのことが気になってなかなか眠ることができません。

「あたしが ひとつくらい たべたって、クリストファーは、気にしないとおもうな」

ベッドを抜け出し、チョコレートをひとつ口の中に放り込むと……なんておいしいんでしょう! ベッドに戻っても、チョコレートのことが頭から離れず、やっぱり眠れません。

「あたしが もうひとつだけ たべたって、クリストファーは 気にしないとおもうな」

はじめは“ひとつくらい”の気持ちだったのに、止まらなくなってしまったジェニー。チョコレートが8個入っていたはずの箱は、ついに空っぽになってしまいました。

クリストファーの誕生日はどうなっちゃうの!? と、大人もハラハラするような展開ですが、安心してください。長く読まれている素敵な物語には、スペシャルなハッピーエンドが用意されています。

ちなみに、こちらは「曜日」と「数」の感覚を楽しめる絵本でもあります。子どもは“自分が知り始めたもの”が出てくる物語が大好きなのだと、作者はよくご存知なのですね。

ハラハラドキドキの展開と子どもの大好きなものが次々に登場する一冊、ぜひ親子でじっくりと味わっていただきたいです。

ラストは“チョコがない未来!?”を描いた絵本

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