「まごわやさしい」魔法のレシピ  子どもが好きな野菜料理とおやつ

カンタン・きれい・完食!#4【野菜の「や」】「思わず手が出る野菜の料理とおやつ」

料理家:越野 美樹

野菜が主役! 彩り豊かなお料理3品。 左:とんぺい焼き 奥左:野菜の簡単ムース 右:フライパンで作るケークサレ  写真:越野美樹

一日にどれくらい野菜を食べていますか?

私は小さいころから野菜が好きで、野菜が不足すると「食べた~い!」と野菜への愛が爆発するタイプです。

厚生労働省の指針によると、成人で350gの野菜を食べることが目標とされています。 

野菜好きの私でも、毎日350gとれているかといったら、かなり怪しいです。
ましてや、サラダなどの生野菜で350gを摂るというのは至難の業!
では、一日350gの野菜って、何を食べてもいいのでしょうか?

できれば、いろいろな種類の野菜をバランスよく食べるのがオススメです。

野菜の種類は、例えば、葉は小松菜、茎はセロリ、根は大根、果実はなす、花はブロッコリーなど、食べる部位が葉、茎、根、果実、花によって分類されます。

また、ほうれん草やにんじんなど色の濃い緑黄色野菜、レタスや玉ねぎなどの淡色野菜など、野菜の色によっても分類されます。

「トマトは花が咲いて実るから『果実』」など、どの分類なのかちょっと考えてみて、さらに野菜の色を意識しながら一日350gとれるように考えると、バランス良く食べられますよ。

そして、野菜は生で食べるよりも、煮る、焼く、蒸す、揚げるなど、調理して食べるとカサが減り、無理なく食べられるので、料理で工夫してみてくださいね。

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手前左から時計まわりに、じゃがいも、とまと、ミニトマト、玉ねぎ、坊ちゃんカボチャ、とうもろこし、ズッキーニ、さつまいも、にんじん、おかひじき、生姜、サンチュ。  写真:越野美樹

子どもに野菜を食べてもらうコツ

野菜を食べたほうがいいとわかっていても、子どもが食べてくれない!

そんなお悩みを持つ方は、多いのではないでしょうか?

そんな方に、子どもに野菜を美味しく食べてもらうために、2つ提案させていただきます。

例えば、オクラは輪切りだけでなく、縦切りもできます。我が家ではゆでたオクラにおろしニンニクと塩、胡麻油でナムルにしたり、焼き肉のタレをつけたりすると秒で無くなります!  写真:越野美樹

提案①いつもと切り方や調理法を変えてみる!

例えば、大根の煮物。

いつも乱切りにして煮ているとしたら、たまには小さめの角切りにして炒めてから煮てみるなど、切り方と調理法を変えると、食べてくれることもあります。

我が家の娘は角切りにして煮たり蒸したりしたかぼちゃは苦手ですが、薄切りにして油で焼いたりあげたりしたかぼちゃは大好物。

また、葉物は筋を感じて嫌がりますが、繊維を断ち切るように縦にも横にも細かく切ると、食べてくれます。

いつもと同じマンネリの切り方や調理法をしがちですが、その野菜が嫌いなのではなく、その形や食感、その野菜独特の味などが嫌いなだけということもあるので、ぜひいろいろなお料理を試してみてください。

提案②野菜の日を作る

食卓にドーンとお肉があると、大人でもついお肉に手が伸びてしまいますね。

たまには野菜たっぷりのボリュームおかずを用意して、野菜でお腹いっぱいになる日を作ってみませんか?

どうしてもお肉を食べたかったら、後から出すという手もあります。

野菜の存在を適度に感じながら、ちょっとしたコツを取り入れ、野菜の甘味や旨味を引き出した、子どもが食べやすいお料理を作れるコツをご紹介します。

この2つの提案を取り入れた、野菜嫌いのお子さんでも無理なく野菜が食べられるお料理を、3品作ってみましょう。

お子さんと一緒に作ると、素材への愛着が湧くこともあると思うので、ぜひご一緒に!

野菜の甘みを感じて美味しく食べられるよう、合間のおやつは控えめに!

「とんぺい焼き」のレシピ

とんぺい焼きは、炒めた野菜や肉などの具を、薄焼きの卵で包んだ料理。野菜を細かめに切ることで繊維を感じにくくなり、適度な時間、油で炒めることで甘みが引き出されます。

まろやかな卵の生地で包み、ソースやマヨネーズをかければ、子どもも喜んで食べてくれます!

薄焼き卵に片栗粉を少し入れるとまとまりやすく、小さい子にも作りやすいです。野菜の存在感を薄くするには、小さめに切るのがコツ。  写真:越野美樹

【材料】2人分
豚薄切り肉 100g
玉ねぎ 1/4個
人参 1/4本
もやし 1/2袋
キャベツ 1~2枚
ごま油 大さじ1
塩 ひとつまみ
こしょう 少々
卵 2個
片栗粉 大さじ1/2
本みりん 大さじ1
塩 ひとつまみ
菜種油 大さじ1
中濃ソース 適量
マヨネーズ 適量
青のり 適量
かつおぶし 適量
紅生姜 適量

【お手伝いポイント】
薄焼き卵を作ったら、炒めた野菜をのせてくるりと巻いてもらいましょう。自分で形を作るとうれしくて、たくさん食べてくれます。

【作り方】
1.玉ねぎは繊維に沿って薄切り、にんじんは薄めの千切り、キャベツは1cm角、もやしは1/4の長さになるようにざく切りにする。

2.フライパンを中弱火に熱してごま油を入れ、玉ねぎ、にんじん、豚薄切り肉、もやし、キャベツの順に加えて塩・こしょうをし、木ベラなどでしんなりするまで炒める。お皿に取り置く。

3.ボウルに片栗粉、本みりん、塩を入れて菜箸でよく混ぜ、卵を加えてさらに混ぜる。

4.フライパンを中弱火に熱して菜種油を入れてまんべんなく広げ、3を入れて菜箸で混ぜながら焼く。

5.半熟になり、卵のふちが持ち上がったら裏返して焼く。

6.器にのせて2を包み、中濃ソース、マヨネーズ、かつおぶし、青のり、紅生姜をのせる。

フライパンの中で包まず、お皿にのせてから具を包むので、子どもにも無理なく作れます。

2の野菜を炒めるときに焼きそばの麺を入れても美味しくいただけますよ。

ちなみに、我が家は紅生姜も手作りします。

千切りした生姜をさっと茹でて、熱湯消毒した瓶に入れ、梅酢を入れるだけ。

熱いうちに梅酢を加えることで、自然なピンク色に染まります。

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