「体罰」は法律違反?「子どもを叩きそう」になったら知っておきたいこと…弁護士が解説

子どもの人権を守る弁護士・山下敏雅さんインタビュー #2 (2/4) 1ページ目に戻る

▲育児がつらい、誰かに相談したい、でも“危ない親”と思われたらどうしよう……そんな悩みを抱えてしまったら?  (写真:アフロ)
▲育児がつらい、誰かに相談したい、でも“危ない親”と思われたらどうしよう……そんな悩みを抱えてしまったら?  (写真:アフロ)
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SOSを出すことで受けられるサポート

子育てのイライラや叩いてしまいそうだという不安を相談したからといって、ただちに親子が分離されるわけではありません。

深刻な虐待などでなければ、いきなり一時保護で親子が分離されることは稀です。

「相談したら“危ない親”として目を付けられるのでは」と心配する方もいますが、実際にはその逆。

むしろ、“早めに助けを求められる親”と受け止めてもらえるのだといいます。

山下さん

「『しんどいです』と本音を言ってくださる親御さんは、現場からするとありがたい存在です」

行政とつながることで、家庭の状況を具体的に伝え、必要な情報や支援策を提案してもらえます。

たとえば、次のようなサポートを提案されることがあります。

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●情報提供・調整
利用できる制度やサービス、窓口の案内、学校や関係機関との連携調整など

●見守り・伴走
面談の場づくりや、親の不安を聞き取る支援

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追い詰められる前にいったん休み、態勢を立て直すことは、親にも子どもにもプラスに働きます。

「今はとにかくしんどい。少し離れて落ち着きたい」というときは、一時保護ではなく、行政の子どもショートステイ(短期入所)事業を利用し、一時的に子どもと距離をとる方法も考えられます。(ただし、ショートステイは事前調整・予約が必要な場合があるため、早めの問い合わせをおすすめします)

子どもを叩いてしまった! どうしたらいいの?

法律は悩む親を追い詰めるためのものではない
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