妻のママ友をはじめ 多くの人たちの励ましが支えに
僕たち家族のことを気にかけ、救いの手を差し伸べてくれたのは、義母や義父だけではなかった。
妻が倒れた4日後の7月28日には、妻の飲み友だちでもあったママ友2名とLINEで連絡を取り合うようになったのだ。
励ましてくれるだけでなく、育児のアドバイスをくれたり、家事の手抜きノウハウを教えてくれたり、学校からの連絡事項を共有してくれたりと、事あるごとに親切なLINEが届いた。
さらには、寂しい想いをしている子どもを気づかって、遊びに連れて行ってくれたことも。「子育て戦力外」だった僕にとって、ママ友たちの存在はとても心強かった。
また、手料理を差し入れしてくれたママ友もいた。ツライ状況のときこそ、そういった思いがけない優しさが身にしみたものだ。ただ、そのママ友に申し訳ないことをしてしまったことがある。
我が家のインターフォンは壊れているので、ドアをノックするという原始的な方法で訪問を知らせてもらっている。そのママ友が餃子を届けてくれたとき、僕は食事の準備を手伝わない子どもたちに絶賛ブチ切れ中。ヒートアップしていたせいか、ノックの音にまったく気づかなかった。
「ええかげんにせぇよ!」とシャウトしまくっているときに、娘と息子が「誰か来たよ」と言っても、「ウソこけ! ごまかすな!!」とさらにヒートアップ。15分ほどすぎて怒りがおさまり、険悪ムードでいつものごとく“黙食”をしていたら、再びトントンとドアをノックする音が聞こえるではないか……。
僕がブチ切れている間じゅう、ずっと廊下で待たせてしまい、本当に申し訳ないことをしてしまった。同時に、シャウトする声は廊下にダダモレだったはずなので、外では“気弱で優しいパパ”を装っている僕の本性もバレてしまっただろう。
そのほか、お見舞い金を送ってきてくれた妻の仕事関係者や、妻と子どものためにネーム入りタオルをくれた妻の友人、高級メロンを届けてくれた僕と妻の共通の友人、家と事務所の冷凍庫に入りきらないほどの冷凍食品を提供してくれた僕の仕事仲間をはじめ、多くの人のあたたかさに励まされた。