理不尽“PTA”を見極める方法 入会届とポイント制が2大要チェック

ノンフィクションライター・大塚玲子さん「PTAの手引き」#1 ~今さら聞けないPTAって何ですか?~

ノンフィクションライター・編集者:大塚 玲子

時代を超えて語られる PTAの問題点とは

ここまで聞いただけでも、あふれかえるPTA情報に耳をふさぎたくなる保護者も少なくないはず。こんなにたくさんの役職と活動があるの……、と面食らってしまいます。

「時代背景によって、PTAの役割が変化している部分もあります。登校見守りやパトロールの活動は、2〜30年前から広がったもの。

きっかけのひとつは、2001年に起きた附属池田小事件(※1)。以降『子どもの安全を守る』という役割をPTAが担う傾向が出てきたようです」(大塚さん)

※1=附属池田小事件。2001年6月8日に大阪教育大学附属池田小学校(大阪府池田市)で発生した無差別殺傷事件。同校の児童8人が殺害され、15人が負傷した。

昭和・平成・令和と時代が変わるなか、PTAのあり方についての議論は、何度もなされてきました。

1971年に有志が集まって発足した「全国PTA問題研究会」は、1983年に研究成果をまとめた書籍『PTAとは何か 総論編』(あすなろ書房刊)を出版。PTAの理念と理想、そして現実の問題を取り上げる動きは、古くからあったのです。

「PTAが任意加入の団体と知られるようになったのは、2008年に作家・川端裕人さんの『PTA再活用論』(中公新書ラクレ刊)が出た辺りが起点でしょうか。朝日新聞もPTA問題を大きく報じてきました。

2013年には、NHK『あさイチ』も、PTA特集で『加入は任意、入会は自由』と報道しています。私もこの番組を見て、『PTAって強制しなくてもできるんだ!』ということを初めて目の当たりにしました」(大塚さん)

学校との関係性や、運営方法、お金の問題など、PTAが抱える課題は時代を超えて多くあります。ここ10年ほどの流れでいうと、「強制入会の実態」がつまびらかにされてきました。

さらに、TwitterのようなSNSが普及したことも、「強制入会」の問題が知られるようになるうえで大きな影響があったと大塚さんは語ります。

「この10年ほどの間で、PTAが任意加入の団体であることが、一般の人の間でもかなり周知されるようになってきたと感じています」(大塚さん)

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