
タブレット純 壮絶イジメ「ズボンを脱がされ常に標的」 子ども時代を救った特技のモノマネ
シリーズ「不登校のキミとその親へ」#9‐2 歌手・お笑いタレント タブレット純さん~イジメとモノマネ~
2025.07.27
歌手・お笑いタレント:タブレット純
モノマネが「役割」を与えてくれた
モノマネに目覚めたのも、中学のころです。学校の先生の口調とかをまねて、いちばん近い人にこっそり披露したら、かなり似てるってホメられました。その人に促されて自分をイジメていた不良グループの人たちの前でやったら、大ウケしたんです。だんだんレパートリーが増えていって、全部の教科の先生のモノマネができるようになりました。
以前にタレントの松村邦洋さんがテレビか何かでおっしゃっていたんですけど、中学で不良グループにイジメられていたけど、やっぱりモノマネができることでちょっと地位が上がったそうです。ぼくの場合は地位が上がったとは思わなかったですけど、笑ってもらうという役割が見つかったみたいな感じはありましたね。

ぼくの場合は、たまたまモノマネという“特技”に助けられました。ただ、イジメがなくなったわけじゃないので、水の中でもがいているところを助けられたというより、しがみつくロープが見つかったぐらいですね。でも、そのロープはとても心強かったです。
昔からテレビのお笑い番組も大好きで、とんねるずさんや竹中直人さんを見て、笑いのツボが似ている兄といっしょに腹がよじれるぐらい笑っていました。笑われるにせよ笑うにせよ、ぼくは「笑い」に救われたんです。もともと「昭和歌謡」という趣味の世界もあったから、苦しい状況をどうにか乗り切ることができました。
今まさにイジメで苦しんでいる人も、ほかの何かで苦しんでいる人も、ぜひ自分がしがみつける「ロープ」を見つけてください。歌でも絵でもスポーツでも映画でもアイドルでも、得意なことや好きなものが何かありますよね。「興味がある」ぐらいでもいい。それがあなたを救ってくれるロープになるんじゃないかと、ぼくは思います。
取材・文/石原壮一郎

連載は全3回 (※公開時よりリンク有効)

石原 壮一郎
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』『失礼な一言』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。 萩本欽一がマヌケの素晴らしさを伝える『マヌケのすすめ』(ダイヤモンド社)、林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)、毒蝮三太夫が高齢者にまつわる悩みに答える『70歳からの人生相談』(文藝春秋)では構成を担当。 2024年秋には、何かと厄介な周囲の「昭和人間」、そして「昭和人間」である自分自身との付き合い方を考察した『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)が話題を呼んだ。 写真:いしはらなつか
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』『失礼な一言』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。 萩本欽一がマヌケの素晴らしさを伝える『マヌケのすすめ』(ダイヤモンド社)、林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)、毒蝮三太夫が高齢者にまつわる悩みに答える『70歳からの人生相談』(文藝春秋)では構成を担当。 2024年秋には、何かと厄介な周囲の「昭和人間」、そして「昭和人間」である自分自身との付き合い方を考察した『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)が話題を呼んだ。 写真:いしはらなつか
タブレット純
1974年生まれ。神奈川県出身。幼少期より古い歌謡曲に目覚め、思春期は中古レコードを蒐集(しゅうしゅう)しながら愛聴、研究に没頭する。 古本屋、介護職などの仕事を経て、ムード歌謡の伝説的グループ『和田弘とマヒナスターズ』にボーカルで加入。グループ解散後、ライブハウスなどで活躍し、寄席・お笑いライブにも進出。「ムード歌謡漫談」という新ジャンルを確立し、唯一無二の存在として人気に。テレビ、ラジオ、連載等のレギュラー多数。 ●オフィシャルブログ「タブレット純の世界」 ●株式会社トルバ プロフィール
1974年生まれ。神奈川県出身。幼少期より古い歌謡曲に目覚め、思春期は中古レコードを蒐集(しゅうしゅう)しながら愛聴、研究に没頭する。 古本屋、介護職などの仕事を経て、ムード歌謡の伝説的グループ『和田弘とマヒナスターズ』にボーカルで加入。グループ解散後、ライブハウスなどで活躍し、寄席・お笑いライブにも進出。「ムード歌謡漫談」という新ジャンルを確立し、唯一無二の存在として人気に。テレビ、ラジオ、連載等のレギュラー多数。 ●オフィシャルブログ「タブレット純の世界」 ●株式会社トルバ プロフィール