『中受 12歳の交差点』造形作家の制作の裏側を大公開!【超精巧】

工藤純子「中受」表紙 和田治男のミニチュア制作風景を写真で紹介

児童図書編集チーム

制作開始! 何を作っているか、予想してみてください♪

さっそく、制作過程を見ていきましょう。まずはじめは、1枚の木の板からスタートです。

定規とコンパスを使い、板にアタリをとっていきます。
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カッターでくりぬきます。さて、何を作っているでしょう?
カーブがついている部分は、糸ノコを使います。
もう、わかりますね! 別の濃い茶色の木を、穴に合わせて用意します。
濃い茶色の木を窓枠にして、さらに、外開きの窓部分も制作します……。

和田さんに聞きました! 制作ポイント①

今回の「中受」の表紙制作にあたって、登場人物3人の部屋をドールハウスのように見せたいとの要望がありましたので、それぞれの部屋の違いをどのように見せるかが重要になりました。まず初めに窓の違いで変化をつけることにしました。

次は人物に着手。プロの技が光ります!

ここまで制作してきたものを一度置いておいて、次は人物を制作するようです。人物は、ころんとした木のブロックから作られます。

木のブロックに、子どもの絵が描かれています。
絵を目印に、まずはざっくり、のこぎりで木をカットします。
大まかな形状ができたら、カッターや彫刻刀を使って、細部のカットにうつります。本などの持ち物も、後付けではなく、1つのブロックからできているのですね。
平面的だった顔も、3Dになっていきます。前髪の作業はとっても繊細です。
なめらかに、細かく整えていきます。

和田さんに聞きました! 制作ポイント②

木を削る道具としてカッターを使ってると言うと驚かれますが、細かいところを削ったり、丸く形を整えるのに僕にとって最適なんです。何よりも刃を研ぐ必要がないのがいいんです。

人物がいる「舞台」の制作へ…。

人物の形が整ったところで、3人の「部屋」の大枠作りにうつります。

のこぎりで、正方形の板をいくつも作っていきます。
正方形の板同士をボンドでくっつけるときに役立つのが、直角クランプという道具。板と板を、正確に直角に貼り合わせていきます。
3つの部屋ができてきました。

突然ですが、ここでクイズです!

和田さんは、何を作っているでしょう?

①厚紙を、短冊状にカットします。
②カットした厚紙を重ね合わせて、両端に穴を空けます。
③空けた穴にそれぞれ、裁縫用の針と糸を通します。
完成! 答えは、ブラインドでした!

和田さんに聞きました! 制作ポイント③

ブラインドは初めは紙で作る予定でしたが、より本物っぽく見えるように、プラ板で作ることにしました。素材に関しては、日頃からお店に行ったときなどに、立体制作に使えそうな素材をチェックするようにしています。

いよいよ着彩へ。まもなく完成です。
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