【中学受験伴走】「理科が大得意」に! 「五感」と「実体験」から得た知識が有効なワケとは 難関校合格率抜群中学受験塾『グノーブル』ベテラン専任講師が解説

「グノーブル」理科編 #1 ~低学年編~ 

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

好奇心を育てるため、家庭でできることは?

──「好奇心」は大切な要素ですね! 「好奇心」を大切にするために、家庭でできることはどんなことでしょうか?

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細川先生:まずは親御さんもお子さんと一緒に楽しむことですね。例えば博物館に行くと、必死に説明をして「講義」をしてしまう親御さんをお見かけすることがあります。

でも大切なのは、“親が楽しんでいる姿を見せること”。「ここはこんなふうになっているんだ! 面白いね!」と、親御さんが率先して楽しんでいると、お子さんも自然に興味を持つようになります。

あとは日常の中だと、スーパーなどで「この野菜はどの部分を食べているのかな?」「りんごとなしは同じ仲間なんだよ」などと、声に出してみることで、自然に理科的な視点が育てられます。

理科マインドを育む本はこれだ!

──家庭でできることと言えば読書もありますが、細川先生が考える、理科の下地をつくる本を教えていただけますか?

細川先生:中学受験の理科では、“身近なもの”が出題される傾向が強いですね。

多くのお子さんが好きな「最強・猛毒の生物」や、「変わった生きもの」のような本もいいのですが、身近な鳥・魚・植物に目を向けることも非常に大切です。その中でも『日本の生きもの図鑑』(講談社)はおすすめですね。

『日本の生きもの図鑑』監修:石戸忠、今泉忠明(講談社)

細川先生:講談社が刊行している「ブルーバックスシリーズ」も興味を引き出すきっかけになるといいます。

低学年のお子さんが読むのは難しいかもしれませんが、親御さんが読んで楽しむ姿を見せることは効果的です。

『コーヒーの科学』など、身近な題材を興味深く読む姿を見て育った子は、科学的な視点を持つようになります。

『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』著:旦部幸博(講談社)

細川先生:また、興味ある分野の「ブルーバックス」を読むことは、初見問題の対策として有効です。入試に出そうなテーマを探すのではなく、興味がある分野についての本を読み、難しい用語や図表の意味を考えることが力になるのです。

神奈川県の聖光学院中学校では、中学1年生の国語で、「『ブルーバックス』を購入して感想を書く」という課題が出たそうです。

選び方としては、文章だけのものよりも、「図表」が豊富なものがいいでしょう。「ブルーバックス」の中でも、タイトルに「図解」とついているものが適していますよ。

こちらは細川先生の愛読書。取材時に私物を持ってきてくれました。

『生命の大進化40億年史 中生代編』 著:土屋健、監修:群馬県立自然史博物館(講談社)

『土と生命の46億年史』著:藤井 一至(講談社)

細川先生:あるいは伝記を通じて偉人たちの思考に触れるのもいいでしょう。「講談社 火の鳥伝記文庫」などで、ガリレオ、アインシュタイン、エジソン、ライト兄弟などの伝記をぜひ読んでほしいですね。

『ガリレオ 講談社火の鳥伝記文庫』著:山本省三、伊藤和行、カサハラテツロー(講談社)

『アインシュタイン 講談社火の鳥伝記文庫』著:岡田好惠 、佐竹美保(講談社)

『エジソン 講談社火の鳥伝記文庫』著:崎川範行 (講談社)

細川先生のお気に入り「ブルーバックスシリーズ」の一部。これらも中学受験におススメです。  写真提供:細川晃伸

◆細川先生お気に入りのブルーバックスシリーズをAmazonでチェック!

『感覚器の進化』著:山崎圭司、辻村拓(講談社)

『気象学入門 改訂版』著:杉山大志(講談社)

『光と色彩の科学』著:斎藤勝裕(講談社)

『地磁気逆転とチバニアン』著:菅沼悠介(講談社)

『新しい1キログラムの測り方』著:臼田孝(講談社)

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次回2回目では、グノーブル3人の理科専任講師の先生方に、4・5年生の理科の勉強方法についてお聞きします。お楽しみに。

撮影/日下部真紀
取材・文/佐野倫子

グノーブルに聞く「理科の勉強法」連載は全3回。
2回目を読む。
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※公開時よりリンク有効。

まだある! 細川先生の中学受験に効くおススメ本「ブルーバックス」リスト

『三つの石で地球がわかる』著:藤岡換太郎(講談社)

『山はどうしてできるのか』著:近藤洋一(講談社)

『川はどうしてできるのか』著:廣井悠(講談社)

『海はどうしてできたのか』著:高井研(講談社) 

『科学とはなにか』著:村上陽一郎(講談社)

『科学者はなぜ神を信じるのか』著:三田一郎(講談社)

『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』著:佐野倫子(イカロス出版)
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さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57