絵本作家さんに聞く絵本づくりのポイント「おはなしのたねは幼い自分が感じたこと」ながしまひろみインタビュー

『読者と選ぶ あたらしい絵本大賞』デジタルお絵描きアプリ「CLIP STUDIO PAINT」ユーザーインタビュー

すべての画像を見る(全9枚)

絵本ナビと講談社の共同開催で新設された『読者と選ぶ あたらしい絵本大賞』。その第1回の作品募集が始まり、2025年1月31日まで応募を受け付けています。

『読者と選ぶ あたらしい絵本大賞』は、いま本当に「読みたい」「読んであげたい」絵本を、あなたの手で創り、あなたの目で選ぶ。スマホやタブレット、PCからだれもが気軽に参加できる、新しいスタイルのデジタル絵本コンテスト。現在、コンテストにより多くの方に応募していただけるように、先着順限定でデジタルお絵描きアプリ「CLIP STUDIO PAINT EX 1デバイス3ヶ月版」を無料配布しています。

※第一弾の配布は完了いたしました。第二弾の配布は2024年12月20日を予定しております。(先着順200名となります)

そこで「CLIP STUDIO PAINT」を実際に使っているマンガ家・絵本作家・イラストレーターのながしまひろみさんに、「CLIP STUDIO PAINT」を使い始めたきっかけと使い方、そして絵本作家になるまでのおはなしをしていただきました。

「CLIP STUDIO PAINT」での作画の様子。作画中の作品は『ぞうくんはいちねんせい』作:ながしまひろみ アリス館
ながしまひろみ
北海道生まれ。マンガ家、絵本作家、イラストレーター。 著書にマンガ『やさしく、つよく、おもしろく。』(ほぼ日ブックス)、 『鬼の子』全2巻(小学館)、絵本『そらいろのてがみ』(岩崎書店)、『わたしの夢が覚めるまで』(KADOKAWA)。そのほか、児童書では『ゴリランとわたし』(作:フリーダ・ニルソン、訳:よこのなな、岩波書店)など、書籍の装画・挿絵も数多く手がける。

デジタルとアナログの組み合わせで制作

──ながしまさんは、作品づくりのどの過程で「CLIP STUDIO PAINT」を使っていますか?

ながしまひろみ(以下、ながしま):私の場合はマンガも絵本も、ラフと下書きは「CLIP STUDIO PAINT」で描いて、着彩や仕上げのときに「Adobe Photoshop®」や色鉛筆などのアナログの画材を使っています。

──デジタル制作を取り入れたきっかけを教えてください。

ながしま:手描きのときには大量の紙ゴミが出ていたので、デジタルを取り入れてゴミを減らしたいと思ったのがきっかけです。最近、漫画はフルデジタルにしてもいいなと思っていますが、正直まだアプリを使いこなせている状態ではなくて。

絵本は、自分が描きたいと思っている絵をデジタルでどうやったら描けるのか、正解がまだつかめていないので、これから勉強していけたらと思っています。手描きも好きですし、原画展をやれるといいなとも思っているので、やっぱり手描きの原稿があるといいのかなという思いもあり、今は手描きの工程を残しています。

──ながしまさんは絵本作家よりも先に、漫画家としてデビューしていますが、どのような経緯でデビューしたのですか?

ながしま:デザイナーとして会社に勤めていたころに、「ほぼ日の塾」という無料のコンテンツづくり講座があることを知り、仕事の役に立つかもしれないと通い始めました。その「実践編」でエッセイを書いたり、自分でコンテンツづくりをする課題が出されたりするのをこなすのが、すごく楽しかったんです。

昔、マンガを描いていたことがあったので、自由課題のときに「マンガを描こう」と思って描いたら、「連載してみませんか」と声をかけていただいて。約1年半「ほぼ日刊イトイ新聞」に連載したのが、『やさしく、つよく、おもしろく。』です。

『やさしく、つよく、おもしろく。』著:ながしまひろみ ほぼ日ブックス

絵本作家デビューのきっかけは?

次のページへ 「絵本を描いてみませんか?」と声をかけたのは?
29 件