
広島や長崎──。 今も語り継がれる被爆国だからこそ描ける「戦争」の物語
『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』
著:朽木祥
【作品紹介】
本作は、第63回小学館児童出版文化賞・第9回福田清人賞を受賞。ドイツのミュンヘン国際児童図書館が毎年刊行する国際推薦児童図書目録ホワイト・レイブンズ (The White Ravens) にも選定されました。
舞台は戦後から25年後の広島。戦争を経験したことのない中学生を主人公に、被爆者と残された人々の悲しみ・苦しみの深さに触れる物語です。
福田清人賞の選考委員は「次世代に語り伝えていかねばならないという著者の深い思いがしんしんと染み入り、読み応えのある作品」と評価。
被爆二世である朽木祥さんが、渾身の力で祈りをこめて描いた一冊です。
『ゲンバクとよばれた少年』
著:中村由一 聞き書き:渡辺考 絵:宮尾和孝
【作品紹介】
被爆者であり被差別部落出身者という2つの差別を受けた著者が、戦争によってつらい子ども時代を過ごした体験を子ども目線で描いた原爆体験記。
著者の中村由一さんは、被爆者・被差別部落出身者として、苦しい少年時代を送ることを余儀なくされました。原爆によって大切な兄弟や家を失い、著者自身も大きな火傷を負い、放射能で髪の毛が抜け落ちました。そして、被爆者・差別部落出身者という理由で小学校では教師やクラスメイトからひどい差別を受けます。しかし、自らの体験を記すことで、差別や戦争のない平和な世の中を実現したいと強く願い、この本を書く決意をされたそうです。本書は中村由一さんの実体験を通して、被爆者の苦難、そして苦難を乗り越え、力強く生きた姿を知ることができます。
本作と同様に『ピカドン だれも知らなかった子どもたちの原爆体験記(講談社編)』も子ども目線で綴られた戦争体験記です。幼少期に被爆した広島の小学生が書いた作文を一冊の本にした短編集となっています。
子ども目線で語られる「戦争」。幼き被爆者が語るからこそ、戦争への恐ろしさと平和を願う気持ちを強く抱くことができます。
『パンプキン! 模擬原爆の夏』
作:令丈ヒロ子 絵:宮尾和孝
【作品紹介】
1945年、終戦の年。原爆投下の練習のため、模擬原爆・通称パンプキン爆弾が日本各地に49発も落とされていた事実を知っていますか?
本作は、模擬原爆「パンプキン」の実態を、小学5年生のヒロカとたくみを主人公に、子どもの視点を通してわかりやすく解説しています。あまり知られていない模擬原爆の存在や、その影響について深く考えさせられ、大人が読んでも非常に学びが多い内容です。
発売から10年以上が経過した現在も、世代を超えて読み継がれ、愛され続けています。
『水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ』
著:ロイス・ローリー 画:ケナード・パーク 訳:田中奈津子
【作品紹介】
世界で最も古い児童文学賞であり、アメリカ合衆国で出版された最も優れた児童文学作品の著者に与えられるニューベリー賞を受賞した著者が、真珠湾と広島の人々の生きざまを描写し、アメリカと日本、それぞれの視点から「戦争」を描く41の物語。
日本にも住んだことのある著者の自らの経験を織り交ぜながら、敵味方なく戦時下で実際に生きた人に想いを馳せ、紡いだ言葉の数々。「人間のつながり」をテーマに長年書き続けてきた、稀代のストーリーテラーが、若い世代へ「互いを大切にできるかどうかが、我々の未来を決定づける」というメッセージを伝えた作品です。
柔らかなイラストが物語を優しく彩り、小学3年生以上の漢字にはふりがなもついている親しみやすい一冊です。
『世の中への扉 海をわたる被爆ピアノ』
著:矢川光則
【作品紹介】
被爆ピアノの音は、平和を願う声。ピアノと調律師との、奇跡的な出会いとその奇跡を描いた一冊です。
著者矢川光則さんは、被爆二世として生まれながらも、原爆や平和についてまったく意識せずに育ちました。しかし、ピアノ調律師となり、ピアノの調律・修理・寄贈という活動をしていくなかで、偶然、「被爆ピアノ」に出会います。
「被爆ピアノ」との出会いによって、彼がどのように平和への意識に目覚めていったのか。
その足どりをたどった一冊です。