幼稚園の「キンダーカウンセラー」が親を救う! “発達の悩み”を「心の専門家」に相談できるメリットとは

幼稚園にいる心の専門家「キンダーカウンセラー」第1回~成り立ちと取り組み~ (3/3) 1ページ目に戻る

不安を「一人で抱えない」

田近さんは、4つのサインを挙げています。これらは決して親の「弱さ」を測るものではなく、キンダーカウンセラーに相談する“目安”にしてほしいと言います。

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・親にとって、家庭での負担感が強くなっている(親が眠れない、食事が取れない、怒りが止まらない)

・園と家庭での様子のギャップが大きい(どちらかで急に乱れるなど、バランスを欠いている)

・親が子どものことを「なんとなく気になるなぁ……」と直感的に感じる日が増えた

・家族の会話が「子どもの困りごと」一色になっている(夫婦の会話が対策会議のようになり、息が詰まっている)
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これらに当てはまるなら、それは診断の有無にかかわらず、支援を求めてよいタイミングです。相談は問題視されることではなく、親子が明日からまた「続けていく」ための整理作業と捉えるとよいでしょう。

「相談したら、何かレッテルがついてしまうのではないか」「こんなことで園に相談をして迷惑じゃないか」そんな不安を抱える方にこそ、知ってほしいと田近さんは語ります。

「現状を言葉にしてみる。園と家庭の違いを並べてみる。親である自分自身が限界に近づいていないかを確認する。

この小さな積み重ねが、子育てを持続可能なものにする土台になります。不安をゼロにすることは難しくても、その不安を一人で抱えないことは今日からでも始められます。まず、相談する。気負わずに気軽にキンダーカウンセラーのドアを叩いてみてください」

大阪で始まったこの日常的な支援の形は、親が「次の一歩」を急かされず、安心して立ち止まれる場所を守るためのもの。キンダーカウンセラーがいることで、救われるのは保護者だけではありません。

日々子どもたちと向き合う「園の先生」たちにも、大きな変化が生まれているといいます。後編では、導入園の副園長先生が語る「園が救われた理由」や、キンダーカウンセラーが目撃した「親の表情が変わった瞬間」など、より現場のリアルなエピソードをお届けします。

●田近 文(たぢか・あや)
臨床心理士・公認心理師。2012年より大阪府私立幼稚園キンダーカウンセラー。そのほか公立学校スクールカウンセラー、医療機関等にて勤務。

●平林 祥(ひらばやし・しょう)
一般社団法人 大阪府私立幼稚園連盟 教育研究委員会 副委員長 外部連携チーム・リーダー、学校法人見真学園 ひかり幼稚園 主事。

●邨橋智樹(むらはし・ともき)
学校法人 邨橋学園 幼保連携型認定こども園たちばな幼稚園 副園長。KC(キンダーカウンセラー)事業は、前園長が事業開始時から関わった事業である。

取材・文/関口千鶴

全2回の1回目
2回目を読む※2026年5月28日より公開

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関口 千鶴
せきぐち ちづる

関口 千鶴

Sekiguchi Chizuru
編集者・ライター

大学卒業後、出版社にて編集者として数多くの雑誌・書籍を手掛ける。その後、親子カフェ経営を経て、独学で保育士免許を取得。現在は、幼児教育・子育て支援・絵本などを中心としたフリーランスの編集者・ライターとして活動中。 ●Instagram chise_kanon

大学卒業後、出版社にて編集者として数多くの雑誌・書籍を手掛ける。その後、親子カフェ経営を経て、独学で保育士免許を取得。現在は、幼児教育・子育て支援・絵本などを中心としたフリーランスの編集者・ライターとして活動中。 ●Instagram chise_kanon